火の鳥は灰の中から蘇る【Mリーグ2022-23観戦記1／17】担当記者：越野智紀

あの苦しい配牌から考えれば、よくぞここまで育ったと涙が出そうです。

ここからは予想通りの展開で、上家の東城選手は受け気味の打牌。
押していた渋川選手からリーチが入りましたが、もう降りる気はありません。

窮屈な手牌からアガリまで遠い仕掛けを打ち、山に薄そうな待ちが残ってのテンパイ。
苦しさを乗り越えた先に待っていたのは…

でした。

卓上に交差するロンの発声。
上の画像を拡大していくと…

待ち
セガサミーフェニックス
東城りお

想像していなかった方向からの声に、宙を舞う園田選手の左手。

園田選手のテンパイ後、受けていた東城選手はを切ってのテンパイを取らずにのトイツ落としをすると

を引いて役無しのテンパイ。

を引いてタンヤオに振り替わった直後に渋川選手から打たれた。

これは１巡前なら役無しでアガれず、１巡後には降りていそうな東城選手の仮テン。

刹那の頭ハネで園田選手の親満は東城選手の1,300によって掻き消されました。

南１局
頭ハネで「昨晩助けていただいた渋」にチャンスが入り

親番でドラ赤内蔵のイーシャンテン。
マンズ・ピンズ・ソーズのどこを嫌うかの選択です。

とが場に１枚見えで、は場に３枚と手に３枚。
見た目の枚数ならマンズが一番少ないが、マンズの場況は良さそう。
手出しの園田選手に所持の可能性が高まり、勝又選手はピンズのホンイツ模様ということを加味して

タンヤオ確定のに落としにせず、６７８の三色も見える落としを選択。

これが最高の選択となり、仕掛けてタンヤオ三色ドラ２の4,000オールで下３人の争いから抜け出すことができました。

南４局

各々の点差が均等に10,000点以上離れていて、連荘の猶予が少し見えたラス目の園田選手。
なんとか先手を取って全員降ろしたいところでしたが

苦しい形。
もう新しいターツからメンツを作成している時間はないと

縦横両天秤で最速のテンパイを目指して切り。

ツモでメンツ手一本に絞り、全体的に危険なドラを先に処理。
誰よりも早くテンパイを入れることが一番大事と、現状のターツで遮二無二にテンパイを目指します。

１１巡目にテンパイする園田選手。
もう何待ちだとか贅沢は言ってられません。
逆転の条件をクリアした手さえ入らなければ他家は降ろせる可能性が高い点数状況。

実際に東城選手と11,000点差の渋川選手は、トップを目指して手変わり待ちのダマテンを入れていましたが

流局すれば満貫ツモに条件が緩和されることもあり、現物のを切ってテンパイ外し。
条件クリア出来るテンパイで復活すれば１枚勝負の構えで、かなりトップに比重を置いた作戦
です。
頭ハネで助けていただいた御恩を仇で返すときは今だと、渋の恩返しが始まりました。