諦めたらそこで半荘終了ですよ ドリブンズ鈴木たろう 痛恨の放銃とその後【Mリーグ2022-23観戦記1/17】担当記者:ZERO/沖中祐也

諦めたらそこで半荘終了ですよ
ドリブンズ鈴木たろう
痛恨の放銃とその後

文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2023年1月17日

週刊・鈴木優

最近、優のYou Tubeチャンネルのお手伝いをしている。

ここのところの優はギリギリでトップを取り逃す展開が多かった。
16戦・2トップで-55.2。たしかに思うような活躍ができていない印象ではあるが、幸いなことにPiratesは今季も絶好調・瑞原の貯金のおかげでポイントはプラス。まだあわてるような時間じゃない。
ところが、優は尋常じゃないくらいに悔しがっているのだ。

これは、Mリーガーにならないとわからない感情なのかもしれない。
平均で言うと、週に1半荘だけの登板。一回負けたら挽回の機会まで1週間待たないといけない。こうして数十回打っただけで自身の評価となり、その評価が己の進退を決めるのだ。

「負けたことがある」というのがいつか大きな財産になる、なんて言っている時間なんて、ない。
Mリーグは団体戦ではあるものの、そういう意味では個人戦の意味合いも強い。卓上では勝てば残り、負けたら去るよりないのだ。

奇しくもこの夜、卓上にトータル678位のチームが顔を突き合わせる、要チェックの直接対決となった。

第1試合

東家:松ヶ瀬隆弥
EX風林火山 +308.2pt

南家:鈴木たろう
赤坂ドリブンズ ▲495.2pt

西家:内川幸太郎
KADOKAWAサクラナイツ ▲192.0pt

北家:魚谷侑未
セガサミーフェニックス ▲401.4pt

実況:松嶋桃
解説:河野直也

静かな入り

開局、魚谷に難解な手が入った。

テンパイだが、役無しドラ無しのカン【4ソウ】ではリーチにはいけない。手変わりを待つ場面といえるものの、その構え方が難しい。まず考えられるのは自然な打【5ピン】。トリダマというやつだ。

【1ピン】【2ピン】【3ピン】【4ピン】【5ピン】【6ピン】【3ソウ】【5ソウ】【7ソウ】【7ソウ】【3マン】【4マン】【5マン】 ドラ【7ピン】

ツモ【3ピン】で三色付加、ツモ【4ピン】タンヤオ付加、ツモ【7ピン】タンヤオドラ1付加、ツモ【2ソウ】【6ソウ】ピンフ付加&待ち増加、ツモ【7ソウ】で待ち増加。

6種類の牌で価値がアップし、そのままツモ【4ソウ】でツモってしまうのも悪くない。しかし魚谷が選んだのは

【5ソウ】のテンパイ外しだった。変化はツモ【3ピン】【6ピン】【4ピン】【7ピン】【2ソウ】で、打【5ピン】のトリダマと比較して変化量はやや少ない。しかし、全てリャンメン待ちでテンパイする。

三色のカン【4ソウ】よりもまずはリャンメン待ちでアガリ率を優先、そしてピンフイーペーコー、ドラで打点は補える… という判断である。
ただ【1ピン】【2ピン】【3ピン】【4ピン】【5ピン】【5ピン】【6ピン】という形は中ぶくれ業界でもかなり劣等生で、特にドラ表示牌と自分で使っている【3ピン】【6ピン】の筋は弱いので難しい判断と言える。
そこで第3の選択肢として、打【1ピン】がある。

【2ピン】【3ピン】【4ピン】【5ピン】【5ピン】【6ピン】【3ソウ】【5ソウ】【7ソウ】【7ソウ】【3マン】【4マン】【5マン】 ドラ【7ピン】

受け入れは【4ピン】【5ピン】【7ピン】【4ソウ】【7ソウ】とさらに狭くなるが、【4ソウ】【4ピン】【7ピン】が入れば満貫~倍満が狙え、リターンが大きい。東1局なら十分選択肢に入ってくるのではないか。

魚谷はこの後に【7ソウ】【2マン】とツモって…

【2マン】【5マン】のノベタン待ちでリーチするも流局。
マンズの場況が良く、流局したのは残念だが、いわゆるリーチのみなので反撃がこなかっただけでも悪くない入り…のはずだった。

牌に遊ばれるたろう

ゲームが動いたのは東3局。まずはたろうにチャンス手が入る。

ここからたろうは【7ソウ】を切った。
【2ソウ】として【赤5ソウ】を使い切る選択もあるが、この手牌には【赤5ソウ】の他にもドラが2枚ある。そういう時は受けを狭めず自然に打つべきなのだ。だから打【7ソウ】は正着と言えるのではないか。

さらに言うと【6ソウ】は1枚切れている。しかしそんなたろうをあざ笑うかのように

ツモってきたのは、強烈な裏目となる【6ソウ】だった。
親の内川からリーチが入っているが、もしこの【6ソウ】を捉えられたら

【4マン】【赤5マン】【6マン】【7マン】【8マン】【3ピン】【3ピン】【6ピン】【7ピン】【8ピン】【赤5ソウ】【6ソウ】【7ソウ】 ツモ【6マン】 ドラ【4ピン】

こんなツモアガリの未来もあった。しかし現実では

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