滝沢無双に見た
とあるMリーグの傾向とは
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2023年11月7日
PM8時すぎ。
飲みかけだったコーヒーを喉に流し、エサをくれとうるさかった猫を黙らせる。
時間にして50分とちょっと。
1回戦の観戦が終わったのだ。
最近の私は気付いている。
昔からのMリーグファンも同様かもしれない。
平均試合時間が明らかに短くなった… と。
何故か。
そしてそれは良いことなのか。
その謎を解明するために、我々は浜松町の地下に潜った。
時計の針を1時間ほど戻してみよう。
第1回戦
南家:滝沢和典
KONAMI麻雀格闘倶楽部
+238.5pt
西家:仲林圭
UーNEXTパイレーツ
+158.8pt
北家:渋川難波
KADOKAWAサクラナイツ
+67.1pt
実況:日吉辰哉
解説:河野直也
この日の4人は始まる前から互いに「楽しみなメンツ」と高揚感を募らせていた。
4チームともプラスという余裕もあるだろうが、4人がみなMリーグの舞台に慣れ、充実の時を迎えているからに違いない。
電撃の一戦が幕を開ける。
麻雀ルールの欠陥部分
あなたはメンツ手でドラの役牌をポンしなかったことがあるだろうか?
東1局、仲林はポンの声を飲み込んだ。↓
その牌が横に曲がっていたからである。
とはいえ、私はポンの声が出てしまいそうだ。
何故か。
プロのルールにおいては、ポンの発声はできるだけ早めに行わないといけない。
少しでも遅れて、次の人(今回の場合だと上家)がツモを見てしまうと競技性を大きく損ねてしまうからだ。
だからすぐ発声できるように、頭の中で(とが出たらポン… とが出たらポン)と準備しておく必要がある。
私の頭がポンコツだからだろうか? ポンする牌がある場合は、この準備で頭のリソースが50%は持っていかれる。
その上で、である。
鳴こうと準備していた牌が出たらポンと言ってしまうのが普通ではないだろうか。
そもそも、リーチという劇的に状況が変わる場面においても瞬時に判断しないといけないのは、ルールの欠陥と言えないだろうか。
麻雀はシューティングゲームか? 音ゲーか?
「沖中さん、麻雀はビートマニアであり、ぷよぷよなんだよ」
と語りかけてくる仲林。
もう一度手牌を見てみよう。