劇的な逆転勝利はもちろん、行くと決めたときの思い切りの良さは、たとえ悪い方向に転がったとしても、非常に印象深いものだった。
そうそうたるファイナルのメンバーを相手にしても、この若者が物怖じしている姿は想像ができない。
一方で、キャリアや実績・経験の差を跳ね返し、一気に頂点まで駆け上がる・・・。
もしかしたらこの勝利は、トッププロ・岡崎涼太誕生の序章なのかもしれない。
岡崎プロ、ファイナル進出、おめでとうございます!
開催前はいろいろなことが言われた「男子プロ最強新世代」だが、蓋を開けてみれば、予選卓から見どころ満載の激闘が繰り広げられた。
思えば、人生を激変させるかもしれない対局が、淡泊に終わるわけがない。
濃密な戦いは、見ているものの胸を打った。
だからこそ、こうした戦いは多くの人に見ていただきたいと改めて感じた。
もちろん、人気のあるプロ、知名度の高いプロが出る大会に注目が集まるのは当然のことだ。
でも、たとえ有名プロがいなくとも、思いのこもった対局はやはり面白い。
その魅力をいかにして伝えていくかは、最強戦に関わる全ての人にとっての課題だと思う。
筆者も末席にいる書き手の一人として、何ができるのかを考えていきたい。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。