私が麻雀プロをやめた理由(文/第31期十段位・櫻井秀樹)

はじめまして。(元・日本プロ麻雀連盟の)櫻井です。

おそらく最初で最後のキンマWEBさんでのお仕事です。

先日Twitterで日本プロ麻雀連盟退会の報告をしたところ、

 

金本さんより連絡頂き、
「理由を詳しく!」
とのことで。

まあたしかに、Twitterでの報告ではやめた理由を書く事をしなかったため(文字数)、今回有難く機会を頂戴することにしました。
金本さん、ありがとうございます。※できればプロの時に仕事ほしかったな。。

【20年続けた麻雀プロをやめる理由】

私が今回退会を申し出た理由の大きなところは、ただただ個人の気持ち(モチベーション)の問題です。

良い言い方をすれば 熱が冷めた
悪い言い方をすれば 飽きた
もっと正直な言い方をすれば 麻雀を打つことがストレスになってしまった

本当にこれだけの理由です。
Twitterのリプや、ツイート等では、
「新たなステージでの活躍を・・・」とか
「やはりプロは厳しい世界で・・・」とか
「団体愛も無いような人はどうせやめてくよね」とか
色々なお言葉を頂きましたが、申し訳ないことに私には次の新たなステージもありませんし、プロ生活を続けていくことが困難ってことも現状ありません。

私は普段会社勤めしているのですが、会社も麻雀プロであることを容認してくれてますし、ご存じの方もいるか分かりませんが、「麻雀で新卒を採用する」という珍しい採用活動もしてます。
もちろん、私もメインで関わってます。※社名も検索すればすぐに出てきます!

むしろ麻雀プロを兼業で続けていく環境はかなり恵まれている方だと思います。

もちろん、そのせい麻雀以外の安定した収入のせいで強くならないんではないか?
という悩みもずっと抱えてました。
さらに昨今の社会情勢も相まっての稽古不足、も重大な問題でしたし、このまま他のプロとはどんどん実力が離れていくんだろうなあ、とここ数年ずっと考えてました。
そうするうちに段々と麻雀打つのにストレスを感じるようになってしまったのです。

そして丁度いい(と言っていいのか分からないけど)ことに、現在麻雀プロとして抱えてる仕事やゲストなどが無くなり、今が辞めるタイミングとして良かったというわけです。

上記が、私がプロをやめた理由です。
何か転機が訪れたわけではなく、長年温めてきた「麻雀やめたい」という気持ちが丁度タイミングよく申し出できる時期だった。ただそれだけのことなのです。

【私のプロ人生と退会までの経緯】

金本さんからは「長く・詳しく」と言われたので、退会決断に至った経緯も追記します。

そもそも、MリーグやRTDから麻雀プロを覚えた人達からしたら、「お前、誰やねん?」って感じでしょうね。
いや、昔から麻雀プロを見てる人でも、ほとんどの人が私なんか知らないでしょう。

軽く自己紹介すると(辞めるのにする意味あんのかな?)
日本プロ麻雀連盟に合格したのが2001年なんで、今年で20年選手になります。
「所詮サラリーマンと2足の草鞋でしょ?」ってよく言われるんですけど、
会社に就職したのは2009年なので、8年くらいは麻雀店でスタッフをしてましたし、
麻雀教室の講師なんかもやっていたりしました。

あと、古い連盟員の人たちは知っているのですが、若手の頃はめちゃめちゃ真剣に麻雀プロという仕事に取り組んでました。

リーグ戦の採譜をしたり、タイトル戦の運営をしたり、映像番組の黒子をしたり・・・

自慢ではないのですが、2014年くらいまでのプロ連盟のタイトル戦・決勝戦はほぼ全て現場で観戦・もしくは採譜していると思います(当時は放送対局など少なかったので)。

もちろん麻雀もめちゃくちゃに打ちました。1週間で数時間の睡眠なんてのもザラでしたし、
会社へ就職してからもしばらくは寝ずに打つ日々でした。
黒木さんに「不眠不休のサラリーマン雀士」と名付けて頂いたのも、寝ないで麻雀していたのが原因です。

そして
2014年にはようやくプロ連盟のA2リーグに上がり、十段位というタイトルも(割とまぐれで)獲れました。

写真:日本プロ麻雀連盟

しかし、運気も麻雀熱もそこがピークでした。

翌年からは、一応いい所まで勝ちあがるんですが、中々に酷い負け方を連発。
和久津プロからは「よく麻雀嫌いにならないね 笑」などと言われたりもしました。

リーグも降級、麻雀に関する仕事も減っていき、リーグ戦開幕のたびに「今回で辞めよう」と考えるようになりました。
ただ辞めるに辞めれず惰性でダラダラと3.4年続けるんですが。実はこういう麻雀プロの方、多いと思います。

今年、前期の最終日の直前に、瀬戸熊直樹プロへ退会の相談の連絡を入れました。
「瀬戸熊さんに止められたら、続けれるかも」
とか、心のどこかでは未練タラタラでした。
長い時間親身に相談に乗って頂き、有難いことに引き留めのお言葉も頂いたのですが、最終日の朝には、結果がどうあっても辞めることを決意出来ていました。

その後森山会長にもお電話頂き、有難いお言葉をたくさん頂きました。
そして退会の旨をその場で申し出ました。

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