新世代プロたちの
熱き戦いを見よ!岡崎涼太、
己を貫きつかみ取った
ファイナルへの切符
【決勝卓】担当記者:東川亮 2021年9月4日(日)
麻雀最強戦「男子プロ最強新世代」は、大会前に違った形で盛り上がった。
発端はおそらく、黒木真生プロの書いた記事だ。
https://note.com/kinmakuroki/n/n50bb76383d3c
今回出場する選手はSNSなどでの情報発信が少なく、麻雀ファン・麻雀最強戦ファンの方にとっても、ざっくり言えば「よく分からない」選手が大半だったのではないだろうか。
そのことを、そしてその先にある未来を指摘した記事。
気づきを得た人、耳が痛い人、あるいは何も響かない人、さまざまだったと思う。
黒木プロの記事が出て以降、少しではあるが、各者のSNSが動き出したように感じた。
やはり麻雀プロとして活動する以上、人に知ってもらうことを避けては通れない。
それがプロとしての自分の道を開くことにつながるからだ。
ただ、「女流プロ最強新世代」の観戦記冒頭でも書いたが、やはり大事なのは勝つことだ。
強者も簡単に負けてしまうゲーム性の中で、それでも勝たなければチャンスはつかめない。
そこに手をかけた4名を紹介する。
齋藤敬輔。
最高位戦日本プロ麻雀協会では最上位のA1リーグに所属し、Mリーガーを含め、猛者たちと日々真剣勝負を繰り広げている強者。
麻雀最強戦への出場経験もあり、4者の中で、麻雀プロとしての実績や経験では上位だろう。
自身の強さを、ファイナル行きのチケットをつかんで示したい。
増田隆一。
「新世代」と銘打たれた大会への出場ではあるが、プロ歴は20年を数える。
新世代としてのチャレンジは、これが最初で最後となるだろう。
爪痕を残すだけでは足りない、ここで欲しいのは何よりも結果だ。
岡崎涼太。
23歳と今大会に参加する中で一番の若手ではあるが、所属する日本プロ麻雀連盟では多くのトッププロから将来を嘱望されている打ち手だ。
昨年も麻雀最強戦「次世代プロ集結麻雀代理戦争」に出場したが、予選卓で敗れた。
2度目のチャレンジ、恐れ知らずの若き力が頂点を目指す。
尻無濱航。
日本で50人ほどしかいないというレアな名字に端正なルックス、天然気味の言動はインパクト抜群。
まだ20代ながらプロ歴は10年以上、今年行われた日本プロ麻雀協会のチーム戦「第2回fuzzカップ」ではチームを優勝に導き、MVPを獲得した。
人気が出る要素は十分、最強戦でも結果を出し、大きく飛躍を狙う。
東4局。
ここまでの3局では増田が早いリーチで2度のアガリをものにし、少しリードをつけている。
トップにしか意味も価値もない決勝、狙える大物手は積極的に狙う。
尻無濱がピンズ仕掛けをする中、岡崎も一気のソーズ寄せを選択した。
リャンメン3メンチャンのイーシャンテンとなっていた増田は、を引いて打。
すでにポンチーと2フーロしてピンズの染め手気配の尻無濱が下家、ロンはもちろんポンやチーもあるだけに、手を進めさせることを嫌ったか。
このを岡崎がポン、チンイツの1シャンテンに。
ソーズを打ち切れなくなって回った尻無濱を尻目に、岡崎がチンイツをテンパイ。
単騎待ちから待ちに変化したところで増田のテンパイ打牌を捉え、12000は12300のアガリを決めた。
南1局1本場。
岡崎の手は一つ仕掛けてチンイツのイーシャンテンだった。
浮いているはドラ、これが重なってもホンイツドラドラで満貫だ。
だが、そこに増田のチートイツ、待ちのリーチが入る。