推しの子は推されて押して強くなる 1637の思いと共に 篠原冴美、いざ最強へ【 #麻雀最強戦2023 】 女たちの殴り合い観戦記【決勝卓】担当 #東川亮

推しの子は
推されて押して強くなる
1637の思いと共に
篠原冴美、いざ最強へ

【決勝卓】担当記者:東川亮 2023年7月9日(日)

麻雀最強戦2023「女たちの殴り合い」決勝卓。
菅原千瑛(日本プロ麻雀連盟)小宮悠(最高位戦日本プロ麻雀協会)仲田加南(日本プロ麻雀連盟)の3名は事前予想における得票数の1位から3位であり、下馬評の高かった選手が言うなれば順当に勝ち上がった。

決勝卓の残る1名、篠原冴美(日本プロ麻雀協会)は、いろいろな意味で話題になった近代麻雀読者アンケートで1位となって今大会への出場が決まった選手である。
人気に関しては言うまでもないが、果たして実力の程は。そこを疑問視する層の多さが、事前予想の支持率5パーセントという得票率に表れていたのだと思う。
読者アンケートで獲得した1637票を考えるとさすがに少ないとは思うが。

とは言え、ここは決勝卓。檻の中では支持率など関係ない。立場は平等、勝つのは一人。

東1局、親の小宮は配牌を丁寧に並べると、発声と共に第1打の中を横に曲げた。
ダブルリーチピンフ、高目一気通貫【4ソウ】【7ソウ】待ち。
もし【4ソウ】ツモで6000オールにでもなれば、他3者にはいきなりきつい条件が突きつけられることになる。

ダブルリーチはほとんど情報がなく何を切っても当たる可能性があるが、裏を返せば放銃を避けられれば危険は徐々に減っていく。
そこそこ手のまとまっていた篠原だったが、ここは孤立の【1マン】を切らずに、丁寧に現物【8マン】に手をかける。
【7マン】も通っているのでセットで切っていけるのも大きい。

切りきれなかった【1マン】を重ねて雀頭にすると、【5ソウ】【8ソウ】待ちで追いついてリーチ。篠原としては強い牌を勝負せずにここまでたどり着くことができた。

菅原が一発を消して形式テンパイに向かうと、ズレた篠原のツモスジにいたのはアガリ牌の【5ソウ】
裏ドラは乗らず1300-2600のツモアガリだったが、まずはアガリがとれたこと、そして小宮の大物手を潰せたことが大きい。

東4局、篠原は仲田のリーチを受けて現物を切りながら手を進め、四暗刻の1シャンテンになった。

立体牌図はこう。四暗刻を見るなら【4ソウ】切りの一手に思えるが・・・。
※牌譜制作はこちらから閲覧することができます。

篠原の選択は【4マン】3枚見えのワンチャンスで【2マン】切り。四暗刻よりも仕掛けが使えて高打点が狙えるホンイツへと向かった形だ。

【東】【3ソウ】が小宮から続けて鳴けて、安目満貫、高目ハネ満のテンパイに。
ここまで手が育てばロン牌を掴んでもオリることはできず、仲田に2600を放銃してしまうのだが、アガリの可能性と打点のバランスを見た進行が印象的な1局だった。

南1局1本場、ドラ1のペン【7マン】待ちテンパイで、篠原はよどみなくリーチをかけた。先攻できる場面なら真っすぐに攻める。大会タイトル通り「殴り合い」で勝負を決めようという力強さを感じる。

対する親の小宮は雀頭のない1シャンテンの形だった。
そこに【1ピン】を持ってきて雀頭ができるが、どこを切るにしてもいずれ無スジを勝負することになる。

小宮は【1ピン】をツモ切り。

小宮がマンズやソーズを重ねて好形テンパイを組む可能性もあり得た。
しかし引いてきたのはリャンメンが先に埋まる【7ソウ】
自身で【4マン】を通していたこともあり、【7マン】切りのリーチに。これは篠原のロン牌。

裏が1枚乗っての5200(+1本場)はトップ目から十分な加点だ。

次局、篠原は4巡目に1シャンテンとなり、【3ソウ】切り。どこを切ってもロスが生まれる形だが、こうしておくとチートイツとメンツ手の両方に対応できる。

【4ピン】【6ピン】と引いてイーペーコーのカン【5マン】待ちテンパイ。
このままアガれる上に待ちもよくないのでダマテン

【3マン】引きでリャンメン待ちに変化し、打点もアップ。ドラ引きの打点アップの可能性はあるが、形の上では一手でこれ以上よくなることはない。

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