最強戦に懸けた赤き魂 関西の雄・パタ☆ロッソ、辛抱の末につかんだアマ最強位 麻雀最強戦2021「全国アマチュア最強位決定戦」観戦記【決勝卓】担当記者:東川亮

勝つためには絶対にテンパイが必要な吉野も、パタ☆ロッソの【2マン】をリャンメンでチー、そこからカン【5マン】待ちテンパイを入れる。パタ☆ロッソのロン牌【8ピン】はギリギリで処理できていた。

その状況で、一度切った【8ピン】を、誰が止められようか。

新たなアマチュア最強位の誕生を祝福するかのような、鮮やかなタンヤオピンフ三色ドラドラだった。

4位に終わった吉野は、不成立に終わったものも含めれば、全9局で6度のリーチを宣言した。最後の最後まで戦う姿勢を貫き、その中で、これまでの麻雀で経験したことのないくらいの苦悩を味わったはずだ。だからこそ、きっとこの若者はさらに強くなる。

3位の櫻井は、昨年に続いてアマチュア最強戦本戦に駒を進めたものの、悲願達成はならなかった。全体的に苦しい局面が続き、難しい戦いになったことは否めない。ただ、2年連続でここまできたことは、彼の高い実力の裏付けと言える。来年、三度目の正直はなるだろうか。

惜しくも2位となった長考大統領は、インタビューでの笑顔が印象的だった。この舞台であと一歩のところで敗れ、それでも「悔いがない」と言い切れるのは、それだけの麻雀を打てたことも含め、本当にすごいことだと思う。名前に反して極端な長考もなく、非常に気持ちの良い麻雀を見せてくれた。

そして、見事に優勝してアマチュア最強位となったパタ☆ロッソ。アガリは最初と最後の2回だけ、その間は本人が「本当に辛抱して」というように、とにかく守備に回る局面がずっと続いていた。だが、その間でもむやみに勝負をせず、じっとチャンスを待つ。確かな麻雀の実力と、どんなに苦しい状況でも耐える心。それが最後に幸運を、そしてアマチュア最強位を呼び寄せたと言ってもいいかもしれない。

最後には、麻雀から遠ざかっている仲間への思い、そして「関西のみんなの目標になりたい」と語った。この男を中心に、関西の麻雀シーンがさらに盛り上がることを期待したい。

パタ☆ロッソさん、優勝おめでとうございます!!

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麻雀最強戦、Mリーグの盛り上がりなどもあり、アマチュア最強戦のレベルも年々上がってきているように思える。この日の対局でも、予選から決勝までを通じ、目を見張るような一打が随所に見られた。また、女性の打ち手が増えたことや、キャリアが浅いながらも質の高い打ち手が活躍するようになってきたことも、麻雀界の裾野の広がりを感じる。

今後もアマチュア最強戦は、アマチュア雀士たちの祭典として大きく発展していくことだろう。参加する人たちにはぜひ、負けられない真剣勝負の醍醐味を味わっていただきたい。

筆者も、最強を目指して戦い、敗れた一人である。この大会の観戦記を担当するのは昨年に続いて2度目。書き手として携われる喜びはあるが、やはり一人の麻雀打ちとしてあの舞台で戦ってみたいし、心の片隅に悔しさや嫉妬のような感情があるのは否定できない。それは、麻雀最強戦予選に参加した人のみならず、この大会を見届けた多くの人たちに共通する思いではないだろうか。

麻雀最強戦は、あなたの挑戦を待っている。今年負けた人も、そうではない人も含め、この戦いで胸を熱くした方々に向け、昨年と同じ文言でこの記事を締めくくらせていただく。

「みなさん、来年の麻雀最強戦予選で、お会いしましょう」

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