喜んでリーチを打ちたいところだが、堀は考える。
出した結論は、テンパイは取るものの、ダマテン。前巡、多井が少考して切ったは、全くの無スジだった。それを切れた理由を考えたとき、多井にが固まっている、すなわちカン待ちではアガリが薄いと読んだのかもしれない。
実際、多井には暗刻だった。
そして、を引いて待ち変え。を切れば待ち、タンヤオピンフドラ赤赤、を切れば待ちとなるが、ピンフは消えてタンヤオドラ赤赤である。
堀は切りリーチを選択した。どうせツモるときは、ピンフがあってもなくてもハネ満から。出て倍満も偶然役2つが必要となれば、ツモれる可能性が高い方がいい。が薄いと考えれば、も必然的に弱い待ちとなる。
待ちは実際に、待ちの方が多かった。しかし山に残っている以上、引く可能性はある。堀の河に、無情にもが並んだ。
最後はリーチでぶつかった多井から8000の出アガリ。トップとはならなかったが、堀は2022年も興味深い麻雀を見せてくれそうだ。また、多井や寿人もこのままで終わるとは思えない。年が変わっても、Mリーグは面白い。そんなことを思わせてくれる、新年最初のMリーグだった。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。