亜樹の手牌を見つめる滝沢からは、安堵の雰囲気が感じられた。
続く東2局3本場は、
終盤に小林からリーチが飛んでくる。
234三色含みのイーシャンテンだった滝沢は、を切って迂回。
さらに、対面の小林が切ったに合わせて打。仕掛けている下家の亜樹もケアし、放銃しないタイミングで牌を処理する。
その亜樹は、
を引いてテンパイ! 仕掛けにが入っているので、2900は3800のテンパイだ。リーチ棒もたくさんあって、是が非でもアガりたいところだ。
「チー」
ん? 誰が鳴いたんだ?
声の主は滝沢だった。を鳴いて打とし、イーシャンテンにとった。
巡目が深くなったため、ちょうど山がなくなるくらいのタイミングでテンパイがとれそうになったのが理由だろう。また、小林と亜樹の両者に通る安全牌も増えたため、手詰まる可能性が低くなったことも大きい。
この滝沢の鳴きで、
亜樹のもとへがやってきた。
苦悶の表情を浮かべる亜樹。
河を見て思考を巡らせる。
残っている筋は、 の4本。
亜樹の選択は、
打で放銃回避だ!
先に述べたように、供託もあってアガりたい局面ではある。しかし亜樹は、残り筋の少なさと、の見えている枚数から、を本線級の危険牌と判断。「押せない理由」の方を強く見たのだった。
そうこうしているうちに、
滝沢がテンパイを入れる!
そのまま流局となった。小林と滝沢の二人テンパイ。
一旦はアガリから距離を置きながらも、最終的には切り返して滑り込むという、まさに滝沢の「腕」で入れたテンパイであった。
そして、アガリが出ないまま、東3局4本場へ。
この局も滝沢のアームが唸る。
2巡目に滝沢は、
打とする。234の三色イーシャンテン。形を決めて、鳴きやすいトイツを2つ残すのが狙いだ。
すぐさまが出た!
これを堀からアガって、1000は2200。そしてリーチ棒を3本足して、合計5200点の大きなアガリに。
これで場が活性化されると思ったが、
東4局も、滝沢と亜樹の二人テンパイで「流局」。
なんと東場は、「流局→流局→流局→流局→1000点→流局」という恐ろしくタイトな結果に。息詰まる熱戦とはまさにこのことだ。
南1局1本場は、
ここまで手牌に恵まれず、なかなかテンパイを取ることが出来ずに点数を減らしていた堀が、メンピンツモイーペーコーの1300-2600をツモアガリ。
実は、このアガリが半荘全体の最高打点である。