流局7回の大混戦。1000点と1300点と「腕」でトップをもぎ取った。その男の名は“滝沢和典”。【Mリーグ2021-22 セミファイナル観戦記3/29】担当記者:ゆうせー

南2局は親番の亜樹と、小林の二人テンパイで理由。

これで流局は実に6局目。

南2局1本場、

滝沢にチャンス手が入る。【白】がトイツで入ったイーシャンテンだ。

すぐさま、

亜樹から【9マン】が出た。ポンすれば【白】バックのテンパイだ。

だが、滝沢は動かなかった。

その理由は、

他家の河にあるのではないだろうか。

他三者の切り出しを見ると、すでに役牌が並べられている。この調子で他家が手を進めていくと、【白】は自然と打ち出されそうだ。

それが、滝沢が【9マン】ポンから発進して、ドラを切るとどうだろうか。

「ドラ切りだからテンパイもある」と読まれると、【白】を止められてしまうかもしれない。

このままにしておけば出そうな【白】をいたずらに留めてしまわぬよう、滝沢は仕掛け出しを焦らなかったのだと感じた。

実際、

この段階では、誰も役牌をトイツで使っておらず、皆、数牌中心の手組をしていた。

そして、

手が進んだ堀から、【白】が切られた。

これを仕掛けた滝沢は、

瞬く間に小林から、【9ソウ】で1000は1300のアガリを決める。

滝沢らしい、スマートなアガリだ。

南3局は、親番小林がリーチを打つも、流局。これで流局は7回に。

南3局1本場、

堀の手牌に分岐点が訪れる。

堀が選んだのは、

【4ソウ】だった。

こういった「リャンメン+リャンメン+4枚形三面張」で役がないイーシャンテンでは、【7ピン】を切ってヘッドレスに受けるとテンパイまでの枚数は多くなるが、

ここは【3マン】が3枚見えているマンズと、【7ピン】が2枚見えているピンズの場況が良い。堀はアガリまで考えて、待ちとして優秀な2つの色を残したのだった。

上のようなイーシャンテンは「場況次第では、リャンメンを払って4枚形三面張を残すのも有力だ」と某麻雀YouTuberも動画でデータを使って説明している。まだ見ていない方は必見だ。

そして、リャンメンを払った際には、

このように、最終形が三面張になる可能性を残せる!

リャンメン払いを見せつけた、堀の迫力あるリーチ。一人旅になるかと思われたその時、

「リーチ」

追っかけが入った! しかも勝負したのは滝沢だ!

相手のリーチが本手なのも分かっている。そして自分はトップ目だ。一気に転げ落ちてしまうことさえある。

だが、こちらもリャンメンテンパイ。滝沢は、1位を取るために勝負に踏み切ったのだった。

「ロン」

アガったのは、

滝沢だ! 大きな大きな1300のアガリ!

小場だったこの半荘を象徴するかのように、

オーラスは亜樹が堅実にダマで300-500のアガリを決めて2着キープ。

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