南2局は親番の亜樹と、小林の二人テンパイで理由。
これで流局は実に6局目。
南2局1本場、
滝沢にチャンス手が入る。がトイツで入ったイーシャンテンだ。
すぐさま、
亜樹からが出た。ポンすればバックのテンパイだ。
だが、滝沢は動かなかった。
その理由は、
他家の河にあるのではないだろうか。
他三者の切り出しを見ると、すでに役牌が並べられている。この調子で他家が手を進めていくと、は自然と打ち出されそうだ。
それが、滝沢がポンから発進して、ドラを切るとどうだろうか。
「ドラ切りだからテンパイもある」と読まれると、を止められてしまうかもしれない。
このままにしておけば出そうなをいたずらに留めてしまわぬよう、滝沢は仕掛け出しを焦らなかったのだと感じた。
実際、
この段階では、誰も役牌をトイツで使っておらず、皆、数牌中心の手組をしていた。
そして、
手が進んだ堀から、が切られた。
これを仕掛けた滝沢は、
瞬く間に小林から、で1000は1300のアガリを決める。
滝沢らしい、スマートなアガリだ。
南3局は、親番小林がリーチを打つも、流局。これで流局は7回に。
南3局1本場、
堀の手牌に分岐点が訪れる。
堀が選んだのは、
だった。
こういった「リャンメン+リャンメン+4枚形三面張」で役がないイーシャンテンでは、を切ってヘッドレスに受けるとテンパイまでの枚数は多くなるが、
ここはが3枚見えているマンズと、が2枚見えているピンズの場況が良い。堀はアガリまで考えて、待ちとして優秀な2つの色を残したのだった。
上のようなイーシャンテンは「場況次第では、リャンメンを払って4枚形三面張を残すのも有力だ」と某麻雀YouTuberも動画でデータを使って説明している。まだ見ていない方は必見だ。
そして、リャンメンを払った際には、
このように、最終形が三面張になる可能性を残せる!
リャンメン払いを見せつけた、堀の迫力あるリーチ。一人旅になるかと思われたその時、
「リーチ」
追っかけが入った! しかも勝負したのは滝沢だ!
相手のリーチが本手なのも分かっている。そして自分はトップ目だ。一気に転げ落ちてしまうことさえある。
だが、こちらもリャンメンテンパイ。滝沢は、1位を取るために勝負に踏み切ったのだった。
「ロン」
アガったのは、
滝沢だ! 大きな大きな1300のアガリ!
小場だったこの半荘を象徴するかのように、
オーラスは亜樹が堅実にダマで300-500のアガリを決めて2着キープ。