この凱歌が聞こえるか
胸を張れ歌衣メイカ
麻雀の楽しさを、伝えるために
神域リーグ最終節。
長いようで短かった、記念すべき神域リーグ初年度。
選手からも視聴者からも、お祭りの終わりを意識して惜しむ声が多く上がっている。
しかしだからこそ、最終日を惜しむ声は、次第にこのお祭りを最後まで楽しみたいという方向にシフトする。
私も、一視聴者として願ってやまない。
今日も最後まで、どうか彼彼女らの笑顔が続きますように。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/1-1.jpg)
これが現在のチームポイントランキング。
アトラスがかなり有利な状況で、ゼウスが食らいつけるかどうか。
ヘラクレスも全員がトップラスをアトラス相手に決められれば優勝が見えてくる。
アキレスはかなり厳しいが、親番で点数を伸ばし続ければ、可能性は0ではない。
さて、チーム優勝をどこのチームが手にするかが注目を集めると同時に、個人賞にも注目が集まっていた。
1つは、半荘最高スコア。
Sランクである松本のスコアは個人賞には含めないので、現時点での最高スコアは第12試合の歌衣メイカが記録した59700点。立派な数字ではあるが、このくらいのスコアであれば今日の対局で塗り替えられる可能性は大いにある。
2つ目は、4着回避率。
このタイトルは、現時点で4着無しの選手が2人。チームゼウスの天開司とFraだ。
どちらもこの最終日に4着を回避した場合、出場回数の多いFraが受賞することになる。
3つ目は、個人スコア。
この部門の1位に輝いた選手が、MVPとなる部門。
現時点では歌衣メイカが2位の渋谷ハジメに100pt以上を離して断トツの1位。
このまま1位を守り切れるか。
この記事でお伝えする第一試合は、Cランクの選手が激突する。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/2-1.jpg)
第28試合
東家 郡道美玲(チームアキレス)
南家 渋谷ハジメ(チームヘラクレス)
西家 Fra(チームゼウス)
北家 歌衣メイカ(チームアトラス)
個人スコアトップ3(監督を除く)の歌衣渋谷郡道。そして4着回避率の受賞がかかるFra。
……Cランクとは、いったいなんなんだろうか。
結局は、最初に決められた括りでしかない。
神域リーグを通してこのCランクの選手達には常に魅せられてきた。
成長する彼らを見て、自分も麻雀をやってみたいと思った視聴者も多くいるはず。
最終日の対決が、始まった。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/3-1.jpg)
東1局、ドラドラの郡道が仕掛ける。
を先に切り離し、重ねた時に嬉しい役牌を残す手組。
この丁寧な打ち回しは、郡道がこの神域リーグを通じて得たものではないかと思う。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/4-1.jpg)
12巡目にテンパイをいれて、13巡目。
シャンポンに受ければ、ドラで12000。
が、郡道はこのをツモ切り。
ドラはそう簡単に出る牌ではなく、と
を比較した時に
の方が目に見える枚数が3枚も多い。
そして仮に裏目であるが出てきたとしても――
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/5-1.jpg)
ポンしてのテンパイに組み替えることができる。
郡道のポンの判断は早かった。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/6-1.jpg)
しかしこの局は、Fraが郡道の現物を打った渋谷からを捕まえて満貫の先制パンチ。
この先制で4着回避という観点ではとても有利に立つことができたFraだったが。
![](https://kinmaweb.jp/wp-content/uploads/2022/09/7-1.jpg)
Fraは1度たりとも、「4着を回避したい」なんて言葉を発することはなかった。
その目には、チーム優勝しか見えていない。
チームゼウスでは、監督の鈴木たろうから一つの指標を示されていた。
それは、優勝するための指標。
『全員が、アトラスの上』。これが最低条件。そのうえで、誰かがトップラスを決めることさえできれば、優勝の2文字はゼウスに傾く。
その役目を遂行することだけをFraは考えていた。