切りでオリだった。
おそらくほとんどの人がこうするだろう。
しかし選択は同じでも、過程が違う。
小さな叡智を積み重ねた結果、園田の中では微妙な差だったに違いない。
その証拠に次の巡目
をツモってタンヤオのイーシャンテンに復帰した園田は、さっき切らなかったを
そっと河に放流した。
これが気合の期待値だ!
カンをチーしてテンパイを取った15巡目…
を掴む。ここで園田は
・残り巡目が少ないこと
・リャンメンだとしたら残り3筋であること
を理由にオリた。
このは
なんと松本の当たり牌。
結果的にビタ止めとなったわけだが、園田は「決してビタ止めではない」と強調する。
「あれくらい止めて当然ですよ」くらい言っといて神格化されるルートもあるだろうに、園田は「あくまでもバランスで止めただけです」という。
麻雀の本質を理解してもらいたいという園田の気持ちが伝わってくるではないか。
かくして…
流局までたどり着き、会場はドリブンズカラーに包まれた。(今年からの演出らしい)
「初年度優勝して以来、ピリッとしないドリブンズですが、まだ2回優勝したチームがないので、今年は二度目の優勝を目指します!」
と笑顔で語る園田。
ドリブンズ復権への一歩目としてはこの上ない半荘となった。
今回は園田視点でとりあげたが、8局のスプリント戦は見ごたえがあった。
今年もまた、われわれを興奮のるつぼへと誘う時期がやってきたのだ。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」