麻雀は芸術だ!麻雀星人多井が織り成す美の極致【Mリーグ2022-23観戦記10/14】担当記者:渡邉浩史郎

この局は高宮の4000オールのアガリ。

【南1局5本場】

この局は多井の降り手巡に注目したい。

まずは【發】暗刻で発進するも……

たろうからリーチが入る。2巡目から【3マン】【4マン】【2マン】と全て手出ししており、普通のリーチとはいいがたい。(実際は【3マン】【4マン】両面落とし中に【2マン】を引いた。)

ベタ降りをしていたところで現物の【2マン】を引いて小考。

注目すべきは下家、高宮の押し。2着目親の高宮に放銃はもちろん、聴牌も入れさせたくない。

ここは七対子に放銃もやむなしの【發】暗刻落とし。とにかく2着目の親に楽をさせないことがトップへの道だといわんばかりの気迫。

実際に【2マン】を切っていたら高宮に聴牌を入れられる可能性があった。もはや点棒を持ったこの男に隙はないのか。

多井隙なし伝説は止まらない。続く【南2局】では少しでも日和ったら出来ない第1打ドラで……

高宮のドラ重なりに一手早く対処した。最速最強が舞い踊る。

【南2局1本場】では伝家の宝刀、配牌降り!

3巡目には一気通貫が見える形になるが……

【6ソウ】
456という真ん中の牌を持つことがリスクになり得るという多井の意思。麻雀の王道の逆を行くことで……

見えてくる役もある。チャンタだ!
これならば端牌を多く持つことができ、安全度も仕掛けも、ついでに打点もついてくる。

近藤からのリーチが飛んでくれば当然即撤退。

大事なのは降り方。打ちたくないのは親のたろう・2着目の高宮からの追っかけ。
たろうの現物である【4ソウ】は残して先に今通った【9ソウ】から。細かなところだが、しっかり勉強したいところだ。

そしてオーラス配牌七対子ドラドラの一向聴!! 天地が割れるアガリが生まれるかと思ったが……

ここはたろうが着順上昇となるマンガンのアガリを決めて終局。

まさに隙の無いゲームメイクで今季2勝目第1号となった多井。チームとしても首位に躍り出た。

例年レギュラーシーズンを通過しているABEMAS。鬼に金棒、多井に点棒、ABEMASにポイント。まだまだ先は長いものの、今年こそは悲願の優勝を狙う。

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