赤字半減で
バンザーイ!
ヤケクソ気味なタイトルですが、本音でもあります。
コロナで休業期間中の毎月300万円の赤字は恐怖でしたが、自粛明けで営業再開で即赤字解消かと言うと、もちろん無理です。
再開と共に人件費が上昇するので、それに見合う売上が無いと、赤字はさらに大きくなる。
たぬも赤字続き。
でもお客さんの応援やクルーのがんばりで、人件費が賄える程度には回復して来ています。
3月からの赤字が7月まで継続、半年目の8月も確実に厳しいです。
これまでは家賃を保証金で埋め合わせて貰ってましたが、他のどのお店もそろそろ保証金が尽きる頃です。
閉店した高田馬場店は埋め合わせ自体が無理だったので、契約更新を待たずに廃業しました。
お客さんには不便をかけてしまい申し訳ないんですが、これが幸いした側面もあります。
保証金の相場は時代と地域によって違いますが、たぬの場合は比較的保証金の額が多かった時代に契約してます。
保証金が家賃の一年分とか。
おそらく今なら同じ物件が半分以下じゃないでしょうか。
それでも保証金は、まあ貯金ですよね、確実に消えて行きます。
たぬのある店は、これまでの3か月は全額保証金から引き当てて貰ってましたが、赤字が続くので
さらに3か月は家賃の半額相当を保証金で埋め合わせて貰うようにお願いしました。
それだけ、赤字による損益計算と資金繰りが厳しいということです。
これ以上の相談はもう無理なので、なんとか黒字にするしかありません。
幸いにも大家さんの理解が得られたのは、おそらく資金繰りに余裕があるからだと思います。
具体的には不動産投資のため物件では無く、自社用の実需に基づいた建てたビルで、築年数か
らみて、とっくに支払いが済んでるんだと思います。
つまり、保証金が残っているうちは大家さんは損益計算にも資金繰りにも影響がない。
もう少したぬを応援しようという、ありがたい配慮です。
これがですね、お金を稼ぐための不動産投資物件だとお互いにキツイ。
家賃収入を借入金の返済に充てる計画だった場合、家賃が入って来ないと返済に困る。
保証金から差し引いてもキャッシュフローは増えませんからね。
実は長く続くデフレのせいで、預かった保証金をすでに借金返済などで使ってしまっている大家さ
んもたくさんいます。
「保証金の返却は物件明け渡し後3か月以内」
なんて変な契約は
「次のテナントの補償金で返します」
って言ってるようなもの。
テナントが決まらなかったらと思うと心配ですよね。
実際に今回のコロナの影響で閉店した物件の、次のテナントが決まらなくて苦労している大家さん
がたくさんいます。
長い付き合いのある、パチンコ店経営者兼不動産屋さんは、
「家賃相場も保証金も水面下では大きく下がってる。むかし預かったのは12か月分の補償金なのに、
新しいテナントからは4か月分しか取れない」と。
「保証金が戻らないトラブルが増えるので、なるべく家賃と相殺などで使い切ったほうがいい」とも。
ちなみに、パチンコ店のお客さんの戻り率は6割くらいだそうです。
「小規模で賃貸物件で営業してる店はほとんど潰れる」
ドキッ、私のことを言われてるような気がしました。
第一ミッションは
生き延びる事
むかしからの友だちで単行本「高田馬場の三馬鹿物語」(竹書房刊)の登場物でもある、末井昭さんと島本慶さんは、ペーソスと言うバンドをやってます。
かつては年間50回から100回のライブをやっていたんですが、コロナの影響でライブがほぼ無くなったそうです。
私が長く行ってるジャズクラブも、外国からのミュージシャンがほとんどだったので、この半年近く
キャンセルだらけでほとんど営業していませんでした。
ジャズメンの多いアメリカのコロナは、日本の100倍以上深刻らしいので来日そのものが難しいんです。
それでも無観客ライブ配信や一部会場観覧など、少しずつ営業を再開してます。
感染防止のため、客席は3分の1くらいしか使わずに、メニューも最小限。
アルコールとミックスナッツやビーフジャージーなどの乾き物くらい。
「厳しいですが、日本人中心のミュージシャンも、再開に向けて色々と協力してくれてます。すばらしい生の音楽がまた聞けて本当に嬉しいです」
マネージャーの笑顔にこちらも嬉しくなります。
ジャズ繋がりで、高田馬場閉店の時は長い付き合いのカフェ・コットンクラブのマスターに挨拶に
行きました。
自粛していた、金曜日深夜のジャムセッションを再開した時です。