『特攻シンデレラ』浅見真紀は　満貫飛び交う戦場を駆ける【Mリーグ2024-25観戦記 1/7 第1試合】担当記者 #東川亮

『特攻シンデレラ』浅見真紀は

満貫飛び交う戦場を駆ける

文・東川亮【火曜担当ライター】2025年1月7日

大和証券Mリーグ2024-25、1月7日の試合に出る4チームは、これが新年の初戦となる。

それぞれにチーム状況はあれど、どのチーム・どの選手も、勝って弾みをつけたい気持ちはあるはずだ。

第1試合、チームの思いを背負って出てきた4選手は、流局なしの激しいぶつかり合いを演じた。

第1試合

東家：日向藍子(渋谷ABEMAS)

南家：浅見真紀(赤坂ドリブンズ)

西家：瀬戸熊直樹(TEAM雷電)

北家：滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

 

「あ！」

東2局、実況・松嶋桃と解説・石橋伸洋の声がハモった。

瀬戸熊の手の内でが全てトイツに。とは言え、これだけだとまだどうということはないが・・・

一つ暗刻になれば、強烈に匂い立つ役満の香り。

しかも生牌のが暗刻になって、1枚切れのとが残った。

大三元は3つ全てを鳴くことは難しいが、こうなれば捉えられるルートはある。そもそも、相手にとっては極めて使いにくい。

浅見はタンヤオに移行しながら、自分で切っている1枚切れのをキープ。

直後、瀬戸熊がリャンメンから入ってテンパイ。役満とはならなかったが、小三元の門前テンパイをダマテンとする。出アガリも期待できる手で、リーチをすればハネ満が確定するが、ここはよりアガリの確実性を高めたということか。そして、浅見のがロン牌になってしまっていた。

日向のリーチがかかり、浅見は一番当たらなそうなをリリース。

瀬戸熊への満貫放銃となった。

浅見は「甘い放銃だった」とこの局を後悔したという。が日向に現物、滝沢にも切りやすいということで、を残して先にを処理しておく手順があった、とのことだが、そのときは瀬戸熊の大三元が成就していた可能性もある。どの選択が一番良い結果につながるのか、麻雀は状況によって結果が激変するだけに、難しい。

放銃した浅見とアガった瀬戸熊が、東4局に再び激突する。

この局は瀬戸熊がチーから動いた。3巡目のリャンメンチー、これが普段から鳴きの多い小林剛や園田賢などなら通常運転と思われるが、今回は普段から門前高打点主体の打ち方をする瀬戸熊の鳴きである。異常事態、途端に同卓者が警戒モードに入る。

さらにチーで字牌が余る。

ただ、それを鳴かせている浅見は、既に赤があって役牌が暗刻というチャンス手だった。リャンメン待ちテンパイならば、いくら瀬戸熊にピンズが危険でも叩き切って真っ向勝負。

このを瀬戸熊が鳴いてテンパイを入れるが・・・

ここは浅見に軍配。リーチ時で山に6枚残りの待ちをしっかりとツモって満貫のアガリとし、点数回復に成功した。

南1局1本場の浅見。

この形から一度はに手が伸びるも、思い直して切りを選択。シンプルな安全度だけで言えば切りからがセオリーだが、今回はドラが。巡目も早くて相手の攻撃が飛んで来る可能性も低く、いったんはドラ受けを残す。

それがうまくいって、ドラをスムーズに使うことに成功。ここは2度受けの部分を外し、手牌を絞り込んでいく。

先制テンパイは親番の日向。三暗刻が確定したペン待ちをダマテン。赤を2枚使っており、もちろんこのままアガっても満貫の手だが、一手変わり四暗刻という期待感も。

そこに浅見が待ちでリーチ。

日向は4枚目のを引いて暗槓。は両無スジで切りにくく、オリるような手でもなければオリきれる材料もないということで、攻撃的な選択とする。リンシャンでツモればハネ満からという状況だが・・・。

掘り起こしたのは浅見のロン牌。これは止められなかった。

裏ドラが2枚乗って満貫の出アガリ。序盤はラス目になっていた浅見だが、高打点のアガリを決めてトップ目へと浮上した。

そして、決定打が出たのが南3局。

浅見が素直に手を進めて、待ちでリーチをかける。