運不運も実力のうち
前回は私が人間ドックの誤診んで、腎臓ガンを宣告された話でした。
「山ちゃん、相変わらず運がいいね。俺なんか診察どおり大腸ガンだったもんね」
末井昭さんが祝福してくれました。
「運がいいって言うんですかね。元もとガンじゃなかったんだから、誤診される先生に当たったのは、運が悪いんじゃないの」
「そうだね、ガンじゃ無かったっていうのも、誤診かもしれないしね」
「やめて~」
現在日本では、最終的に国民の半分くらいがガンと診断され、3分の1くらいがガンで死亡するそうです。
だいぶ前に西原理恵子さんの夫の鴨志田穣さんが、腎臓ガンで無くなった時の葬儀に、私と末井さんと、島本慶さんと、尾沢工房さんと参列しました。
「鴨ちゃんまだ若かったのに、ガンて怖いね」
そう言ってた4人のうち末井さんと尾沢工房さんの2人が、すでに大腸ガンの手術を受けているんです。
幸いなことに二人とも、5年以上経過して完治してます。
私は誤診が判明した時は、もちろん嬉しかったんですが、手術の覚悟を決めていたので、ちょっと拍子抜けした感じでした。
病院を出て前回願賭けした神社にお礼参りに行きました。
「ガンの診断が何かの間違いだったら死んでもいい」
という先日の謙虚な気持ちは薄れてて、
「なんで電話かメールで早く教えてくれないんだ」
と贅沢な不満が湧いて来ました。
先の人間ドックは、PETという方式だったんですが、先生に聞いてみました。
「この検査で分かりにくい部分はあるんですか?」
「実は、消化系は精度が高くないので、できれば胃カメラと大腸カメラは別にやった方がいいですね。ただしうちの大学ではだいぶ先でないと予約は取れませんけど」
「じゃ、よそでやりますので、データを頂けますか?」
電話で末井さんに相談したら、すぐにやってくれる所を紹介してくれました。
「ただし、高いよー」
高いと言っても、内視鏡2回分だからたいしたことはないと思ってました。
ところがですね、CD-ROMのデータを持って行ったのも関わらず、最初から人間ドックを全部やり直すと言うんです。
そりゃ高いわ。
病気への対処法は
時代や場所にって違う
「内視鏡の結果ですが、直腸にポリープがありました。幸いガンになる心配は無いタイプです。大腸や胃や食道もだいじょうぶでしたよ」
嬉しいんですが、なんだか、最初に人間ドックを受けなければ良かったのかも、と思っていまいました。
「人間ドックを受ける人のほうが長生きしない」
「ガンが見つかっても放っておいたほうがいい」
最近は、そんなお医者さんも増えているようですね。
ただし、これが正しいかどうかはまだ分かってません。
「あの先生の言うことを信じて、手遅れになるまで病院に来て貰えないケースもあります」
そう言う医者もいます。
ポリープは、昔は前ガン症状と言われて、ガンに進行する可能性が高いと思われてました。
島本慶さんは、これまでに数回内視鏡手術でポリープを切除しています。
「昔は、医者もポリープがガンになると思ってたけど、途中から、どうもガンにならないって気づいたんじゃないの。でも儲かるからあいかわらずやってる。キノコ狩りだね」
島本さんは自分の意思でポリープの切除をしてますが、もっと前の時代には、ポリープ発見だけで、胃を丸ごと摘出してた医者もいたと言うから恐ろしいです。
私の直腸のポリープも、不運な時代に見つかってれば、手術で人工肛門(ストーマ)になってたかもしれないんです。
病気が治るのは薬や手術よりもほとんどが自力らしい
「病気やケガが治癒するのは、5割が自然治癒。残りの半分はプラシーボ効果。薬や手術の貢献度は2割から3割」
あるお医者さんの見解です。
要は自力や気のせいや意思力の効果も大きいと言うことですね。
大昔は、病気は悪魔の仕業だと考えられており、祈祷師の呪文で直そうとした時代もありました。
伝染病を直すのは難しそうですが、軽い精神疾患などは効果がありそうです。
今、西原理恵子さんと末井昭さんといっしょに、ギャンブル関係の本を作ってるんですが、その中に末井さんの鬱病の話が出て来ます。
「僕が欝から脱出するのに、パチンコがキッカケになった。とにかく他のことを考えずに集中できるんだから」
私もそう言う傾向が多少あって、起床してからもぼーっとしてたのが、麻雀などのギャンブルをやって、やっと本格的に目が覚めるんです。