竹内元太が踏み均す!
その一瞬の攻防劇を見逃すな!
文・渡邉浩史郎【月曜担当ライター】2025年9月29日

第2試合
東家:竹内元太(セガサミーフェニックス)
南家:鈴木大介(BEAST X)
西家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)

本日二戦目のメンバーはかなり攻撃的な打ち手が揃った。
優・大介・瀬戸熊はMリーグを代表する、「乗りだしたら手が付けられないファイター」であることに異論はないだろう。
一見すると、この3人に囲まれた元太がやりにくそうにも見える。
しかし攻守共にかなりメリハリのある手組をする元太にとっては、むしろ横移動によって自身の失点しない可能性が増えるこういった卓のほうが持ち味がフルに発揮される印象だ。
もちろんそれもしっかり勝負手が決まってこそなのだが……
【東1局】

元太が親番でドラドラのイーシャンテン。優が自風のを仕掛ける中、元太はこの手からすっと
を切った。
ほかの選択肢としてはドラシャンポンを固定する切りがあるだろうか。
しかし単純にカンの部分が河的にいいことに加え、優に放銃となり得る
を持ち続けるリスクも気になるところ。カン
が良く見えることと先に引っかけを作ることも踏まえて、考えれば考えるほどここは
切りが妙手のように思える。

優に聴牌が入るも、追いついた元太が枚数差を覆して優からを召し取る!

優も元太のドラポンしての聴牌気配に少し間合いを図っているような時間の使い方をしていた。具体的には親に濃い牌はやめそうな雰囲気が出ていたが、ここは元太の打ちが返す返す妙手であったと言えよう。
これで一歩リードを築いた元太。

続く【東1局1本場】でも超ド級の聴牌を入れる。高めツモ6000オールでダマなら出和了りもあるということで、ダマテンに構えた。

ここにイーシャンテンの大介がを持ってきて小考。
リャンカン形を活かすのであれば、どっちを引いてもドラのを使える
の形を残して打
が手筋である。
カンが少し良く見えるのもあって、ピンズから選択するのは間違いない。
大介的に選択を難しくさせているのは、を切ってしまうとある程度ピンズの愚形を読まれることである。
第一打で
も切っている大介からこの先ピンズが
→
や
→
と出てくることはかなり読み材料に使われてしまう。
スライドの可能性がない人の目線からすれば、それこそ今回のようなリャンカン形が出てくることが多いと思われるだろう。そうでなくても埋まりにくい愚形が残っているケースが多そうだなと思われること自体が損に見える。

そういった見られ方と残す牌の危険度を意識して、先に切ったと思われる。しかしこれが……

元太に捕まってしまう。さらに12000点の加点で、これで元太が大幅リード。
こうなった元太はダムである。

例えば【東4局】。こんな手牌でドラ受けのを残してもしょうがないとばかりに字牌を残してマンズから切っていく。
この字牌残しは自身で重ねて鳴いて和了るという気持ちよりも、ちょうどいいタイミングで優や大介に鳴いてもらってこの親を流してもらいたいという気持ちのほうが大きいだろう。

自身が和了るのであれば安全に役アリを作りたい。
ピンズに一気通貫やイーペーコーの目ができたので、ここでを切っていく。

を引いても字牌を切らず、ここで
切り。

を引き戻して、これでピンフが見えてきたうえに
が比較的全員に安全になったので満を持しての字牌切り。

和了りには結びつかなかったものの、ラス目の優のマンガンツモで2着目の瀬戸熊の親被りは元太からすれば次善の結果。

南場に入り、元太ダムはさらなる堅牢さを見せつけてくる。
