
この1巡の躊躇いの間にを処理出来た魚谷選手に

1枚勝負でリーチが打てる状況を作ってしまい、一発キャッチ。

3人の共同作業にやられ、宙を見る松本選手。
こういう仕草を見せた時は、局面を逆再生して反省していることが多いです。
南2局、我慢の局面が多い日になっていた園田選手は

自分の持ち点に近づいていた松本選手の仕掛けに対して自然な手順で受けていましたが、勝又選手のリーチが入ると

「さっきまではゴメンね(一発消してどうぞ)、これからは仲良くしようね(二人の放銃決着でお願いします)」
と、をプレゼント。

結果は魚谷選手から勝又選手への点棒移動になりましたが、園田選手は無失点で切り抜けました。
南2局1本場。

ドラトイツの配牌をもらった園田選手は、ここがチャンスかとばかりに手を進めていきましたが

2軒リーチに挟まれて安全牌がなくなります。

「リーチしてるお二人さん、どうか安全牌を増やしてください」


「?
?」

ここで完全に手詰まりした園田選手が長考に入ります。

手持ちのピンズとソーズの全てが二人に対して無筋で危険牌。
か
かの選択になりそうですが、
は魚谷選手に対して現物ですが勝又選手には無筋で危険牌。
は勝又選手に対して中筋の牌で魚谷選手にはワンチャンス。
この選択肢の一つ、は勝又選手のロン牌でした。

余談ですが、この長考を見た勝又選手は「多分出そう」って思いながら待っていたみたいです。
解説でも「ですね、ほぼ」と、放銃待ったなしで話しが進んでいましたが

こういう局面こそ真価を発揮するのが麻雀賢者こと園田選手。
勝又選手の手出しに着目して、
を捻りだしてきました。

この時の園田選手の思考が素晴らしく
「は先制リーチの魚谷選手の現物の牌なので手牌に関連していなければ
よりも先に切られていそう。勝又選手に
待ちがあるとすれば、ほぼ7巡目に
を引いてきたパターンだけで、その1つのパターンよりは
のリャンカンから7巡目に
2枚切れを見てカン
固定して他のターツに厚みを持たせたり危険牌を抱えていることのほうが確率としては高そうだ」
と、がロンになる組み合わせのほうが多いと判断。
この試合で一番のファインプレーが飛び出しました。

ギリギリの粘りが効いてまたも無失点で切り抜けた園田選手。
これを切っ掛けに不調脱出といきたいところでしたが、この試合でトップを奪ったのは

南4局に3軒リーチを制した松本選手。

このアガリを切っ掛けに

怒涛の連荘で他を突き放し、個人成績でも首位に立ちました。
松本の猛攻で平らになった他3者の2着を目指した戦いは、南4局4本場。

魚谷選手のポンを警戒して
から処理した勝又選手

この選択で魚谷選手の進行を遅らせ、アガリ競争で魚谷選手を抜き去り、

辛くも2着を死守。