河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜ライバルの初トップに捧ぐ・魔神の繊細な選択〜渋川難波編

【西】は持っておらず現状はテンパイしても当たる牌ではないのだが、捨て牌もドラ表示牌の【6ソウ】の後に【6ピン】【3ソウ】とメンツを作る種になりそうな牌を積極的に切ってあり、そういった河はチートイツの可能性が高まる。

もちろんメンツ手のこともあるので断定は出来ないが、自分が信じた道を行き、それが見事にハマっている。

『魔神の読み』

すぐ切るかもしれない、一巡だけの違いかもしれない。
だが、その一巡がどれだけ大事か。
それを身をもって教えてくれた完璧な一打に胸が躍った。

持ってきた【8マン】で手が止まる。

9巡目。
まだ仕掛けもリーチも入ってはいないが、そろそろ誰かが来てもおかしくない。
自身の手はまだリャンシャンテン。
この北はリーチと言われて粘れる牌なので持っておきたいのだが‥

打ち出したのは【北】

『どこも逃せない』

これこそが、打点に対しての妥協を簡単にはしない渋川の真骨頂。

12巡目、しっかりと手牌を広げてリーチタンヤオ平和ドラ1の高打点に仕上げた。

細かい字牌の切り順から目一杯の姿勢。
完璧な手順だ。

親のたろうにテンパイが入る。
ピンズの上に狙いを定め、たろうが優を追い抜いてチートイツ【東】待ちでテンパイ。
場には一枚切れで山には2枚残っていた絶好の待ち選択。
これをヤミテンにしたたろう。
勝利の女神はどちらに微笑むのか!?

渋川の一発目に引いた牌は‥

【東】

チートイツ赤赤の9600。

たろうの手をしっかりと確認。
はいと返事をし、点棒を支払ったその目はどこか儚かったのを筆者は見逃さなかった。

この半荘はこの後も手は入ったが、結果、3時間半一度も渋川のロンとツモは聞こえて来なかった。

こんなに苦しかったのに‥

よく打ててたと。

なんて芯の強い選手なんだろう。
自分の選択に悔いはなく、その瞬間一番得になる選択をしたからこそ出る言葉。

この日、渋川は連投となりその期待に見事応え、Mリーガーになって初のトップを獲得した。

あー
渋川強いわ
かっけーなー
家で見ていた筆者が思わず出てしまったひとりごとを告白しておく。

前年度優勝チームとして迎えた今年度
新規メンバーとなった渋川に対する期待そしてプレッシャーは計り知れないものだろう。

でもね?
渋川難波はめちゃくちゃ強いです。
一番近くで見てきたんですから。

あのステージでこれからどんどん駆け上がっていくライバルの後ろ姿はとてもかっこよく、羨ましくもある。

マルチな才能の渋川難波の今後に、皆様!
一瞬たりとも目を離さず見てください!

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