ユニバースの思いに応えるために 萩原聖人、三色の稲妻で示したRMO【Mリーグ2022-23観戦記12/19】担当記者:東川亮

それでも岡田は打ち抜いた。ツモられてもラスは濃厚、一方で自身の手も押し返すには見合う形。リスクを承知で、前に出た。

麻雀牌は既に積まれていて、選手はルール通りにツモってくるだけだ。そこには思いの強さも、意地もプライドも、流れも風も関係ない。応援する人々の思いだって、ツモる牌を変えることはできない。

けれども。
こんなときくらい─

俺たちの、私たちの応援が届いたと勘違いしたって、いいじゃないか。
高く乾いた雷鳴が、対局場に轟いた。

リーチ一発ツモ三色、2000-4000は2100-4100。
そのアガリはあまりにも力強く、あまりにも情念に満ち。

あまりにも、萩原聖人だった。

もちろん、これで終わりではない。萩原が勝つためには、リードしたままあと1局を消化しなければならない。手が悪ければ終わりだ。

与えられた手は、配牌1シャンテン。

次巡、ピンフに変化。何か大きな力が、萩原を勝利へと後押ししているかのようだ。

すぐにテンパイし、最後は自力で決着。

わずか8局、時間にして45分程度と、Mリーグでは極めて短い試合。その結末に待っていたのは、萩原にとって29戦、1年2ヵ月以上ぶりの、Mリーグでのトップだった。

「今まで応援してくれたみんながツモらせてくれたんだなと。やっと実りましたよ皆さん、だから今後もよろしくお願いします」
萩原は、この試合のハイライトとなったカン【4ソウ】待ち一発ツモを、幸運ではなく応援のおかげだと語った。もちろん、勝ったのは萩原だ。だが、決して一人だけで勝ったのではない。雷電ユニバースの思いは、確かに萩原に届いていた。これは、雷電に関わるみんなでつかんだ、みんなが待ち望んでいた勝利なのだ。

Mリーガーたちは、応援してくれるファンの夢を、思いを背負って戦う。苦楽を、喜びや悲しみを共にし、分かち合いながら、歩んで行く。

だから、Mリーグは面白い。
だから、雷電の麻雀は、

面白いんです!

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