渋川の背後にピタリと付け、物語は1本場へ。
僕は4年待った
南4局1本場、うかうかしていられない渋川が長考に沈む。
テンパイしたものの、役がない。そしてピンズの場況がいい。
どっちかでリーチを打つ手もある。
口を真一文字に結び、考え込む渋川。
トップがかかる、重要な場面だ。
渋川は
静かにを切った。
渋川の良いところは、アシュラマンのように熱さと冷静さが同居しているところだ。
解説しているときも、インタビューを受けているときも、配信でも、普段も、語り口は一定で淡々としている。それでいてシーン③で紹介した熱さも持っているのだ。
ドラさて、この手牌、いくらピンズの景色が良いからといって、1枚切れのカンチャンでは心許ない。放銃したら3着になってしまう親の日向はオリてくれるかもしれないが、一方の黒沢はマンツモ圏内になり逆襲されるかもしれない。
そこでを切るかを切るかだが、とが一枚ずつ切れているので
打→ツモでピンフのリャンメン待ちに(3枚)
打→ツモでピンフのリャンメン待ち以上に(4枚)
と、打の方が変化枚数は1枚だけ多いのだ。
それにしても目の前に勝利がぶら下がっているこの場面で、よく待てるものだ。
(何言っているんだZEROさん、ぼくは4年間ずっと待っていた)
実績を上げ
知名度を高め
そして身なりを整えた。
この舞台に…
この舞台に立つため、僕は4年間待ったのだ。
日向もをポンし応戦する↓
そして日向はを切った。
そう、僕の手牌にはもう1つ変化がある。
「チー」
情熱の喰いスライド!
説明しよう! 喰いスライドとは
からをでチーしてを切ることである。
他にも
からをチーして打
からをでチーして打
などがある。いずれも喰い替えのルールに抵触しないのだ。
日向が切ったに…
ロンの声をかけてフィニッシュ。
トップをもぎ取った。
渋川は苦戦する、という私の予想は取り下げたい。
そして、長らくに渡ってサクラナイツに貢献するであろう、と予想を変更する。
©ABEMA
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」