親の日向も割って入る!
この日、日向はいつになくギアを押しに入れていた。
「渋谷の変」といってもおかしくないくらいABEMASの凋落っぷり。
一時期600ptに届こうかというところからポイントを減らし、今は200ptを割りそうなところまできてしまった。
この流れを私が断ち切りたい… その思いが伝わってくる。
黒沢と日向のリーチに渋川も一切オリない。
言葉はかわさずとも、3人の熱い気持ちが伝わってくる。
決着はつくのか。
「ツモ!」
「6000オール!!」
ひときわ高い日向の声が響いた。
一筋縄ではないかないという渋川の予感は当たったが、こんなに一瞬でトップをまくられてしまうとは。
以降も、黒沢がアガった日向から6400をアガリ、伊達が2000・4000をツモると、さらに黒沢が5200をアガるという乱打戦に突入。
抜け出そうとしても抜け出せない戦いになってきた。
渋川難波の話をしよう(後編)
堅かった渋川は以降どうなったか。
サクラナイツは渋川の雀力を信じ、これでもかと使い続けた。
その期待に応え、渋川はすぐにMリーグに順応した。そして泥にまみれながらも1勝を手にした。
そこからは水を得た魚のようにMリーグという大海を泳ぎだしたのだ。
シーン③
12月のとある一局。
下家の松本がドラのをポンして→と手出ししてきた場面。
場を見ると、役牌だとしたら渋川の浮いているしかない。
がフリテンになっているし、一旦を切るかと思いきや
「どうせテンパイじゃないだろ?オラァ!」
とばかりにをプッシュ。当然松本にポンされ…
自身もテンパイ。とはいえドラ1のカンチャン待ちだ。
「オラァ!」
「よっしゃおらぁあああああ!」
なんというふてぶてしいアガリだろうか。
シーン①②で見せていたような弱気な渋川の姿はもうどこにも見当たらない。
渋川は持ち前の順応力とサクラナイツの強行策によって、完全に自分を取り戻したのだった。
逆襲の日向
さて、実戦に戻り南3局、横一線の中
リーチピンフウラウラの満貫をライバルの日向からゲット!!
これで決まったかに見えたが、やはりまだ山はあった。
オーラス、日向の親。その日向の手牌。
ここから何を切るか。
オタ風のを切るかと思ったが、日向は
を切った。どうしてもつなぎたい親番で受け入れを狭めて字牌を残したのだ。
いくらつなぎたいと言っても、この手牌を安い手でアガっていてはしょうがない。チャンスはそうそう訪れないからだ。そう考えた時、この手牌で高くなるならトイトイ、そしてホンイツ。ホンイツになるとしたらが横に伸びたピンズだろう。
日向はを切ってトイトイとピンズのホンイツに絞ったのだ。
次のツモに日向はたしかな感触を得た。そして視聴者は震えた。
残したが重なったのだ!
このキャッチのファインプレーから…
トイトイに仕上げ、7700!