「僕は4年待った」 渋川難波、決まり手は情熱の喰いスライド!【Mリーグ2022-23観戦記1/10】担当記者:ZERO/沖中祐也

親の日向も割って入る!

この日、日向はいつになくギアを押しに入れていた。
「渋谷の変」といってもおかしくないくらいABEMASの凋落っぷり。
一時期600ptに届こうかというところからポイントを減らし、今は200ptを割りそうなところまできてしまった。
この流れを私が断ち切りたい… その思いが伝わってくる。

黒沢と日向のリーチに渋川も一切オリない。
言葉はかわさずとも、3人の熱い気持ちが伝わってくる。

決着はつくのか。
「ツモ!」

「6000オール!!」
ひときわ高い日向の声が響いた。

一筋縄ではないかないという渋川の予感は当たったが、こんなに一瞬でトップをまくられてしまうとは。

以降も、黒沢がアガった日向から6400をアガリ、伊達が2000・4000をツモると、さらに黒沢が5200をアガるという乱打戦に突入。
抜け出そうとしても抜け出せない戦いになってきた。

渋川難波の話をしよう(後編)

堅かった渋川は以降どうなったか。
サクラナイツは渋川の雀力を信じ、これでもかと使い続けた。
その期待に応え、渋川はすぐにMリーグに順応した。そして泥にまみれながらも1勝を手にした。

そこからは水を得た魚のようにMリーグという大海を泳ぎだしたのだ。

シーン③

12月のとある一局。

下家の松本がドラの【1ピン】をポンして【3ピン】【2ピン】と手出ししてきた場面。
場を見ると、役牌だとしたら渋川の浮いている【中】しかない。
【2ソウ】がフリテンになっているし、一旦【1ソウ】を切るかと思いきや

「どうせテンパイじゃないだろ?オラァ!」
とばかりに【中】をプッシュ。当然松本にポンされ…

自身もテンパイ。とはいえドラ1のカンチャン待ちだ。

「オラァ!」

「よっしゃおらぁあああああ!」

なんというふてぶてしいアガリだろうか。
シーン①②で見せていたような弱気な渋川の姿はもうどこにも見当たらない。
渋川は持ち前の順応力とサクラナイツの強行策によって、完全に自分を取り戻したのだった。

逆襲の日向

さて、実戦に戻り南3局、横一線の中

リーチピンフウラウラの満貫をライバルの日向からゲット!!
これで決まったかに見えたが、やはりまだ山はあった。

オーラス、日向の親。その日向の手牌。

ここから何を切るか。
オタ風の【北】を切るかと思ったが、日向は

【8ソウ】を切った。どうしてもつなぎたい親番で受け入れを狭めて字牌を残したのだ。
いくらつなぎたいと言っても、この手牌を安い手でアガっていてはしょうがない。チャンスはそうそう訪れないからだ。そう考えた時、この手牌で高くなるならトイトイ、そしてホンイツホンイツになるとしたら【5ピン】が横に伸びたピンズだろう。

日向は【8ソウ】を切ってトイトイとピンズのホンイツに絞ったのだ。
次のツモに日向はたしかな感触を得た。そして視聴者は震えた。

残した【北】が重なったのだ!
この【北】キャッチのファインプレーから…

トイトイに仕上げ、7700!

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