【西原理恵子 & 山崎一夫】得点はリーチとホンイツがお得!

得点はリーチと
ホンイツがお得

私の経営するフリー雀荘は、従業員のゲーム収支は店持ちでやっています。
勝っても負けても給料に直接増減は無いので、特に女性は安心して働けると言っています。

腕に自信のある男性の場合は

「ゲーム代を払ってもいいから自腹で打ちたい」

という積極的な従業員もいます。

負け過ぎると、店の経営状態が悪化するし、ヘタ過ぎるとゲームが面白くなくなるので、時々指導していますが、なかなか改善しません。

「リーチをしなさい」

が主な指導ですが徹底しません。

「でもリーチしたら振り込んでくれないんです」

なんて言いながら、役無しのドラ2のリャンメンでダマテンとか。
タンヤオトイトイ・三アンコをダマでロンアガりした時は、びっくりしました。

ダマもアガりも間違い。
意図的にアガり確率を下げるつもりで四アンコリーチです。

私はギャンブル業界に、プレイヤーとして最初に期待値という確率の概念を紹介した1人だと思うんですが、定着するまで5年くらいかかりました。

もちろん数学や先進産業の分野では常識だった考えです。

二十年ほど前の単行本「麻雀で食え!」には、期待値計算の一部として、次のように書いてます。

「待ちの損得の判断は、得点×待ち牌の数が基本」

ただしこれだと得点が大きくなり過ぎて、本当の期待値(平均)ではなく、両者の損得を比べるための目安程度のものです。
また、点棒状況や失点のことは考慮していません。

「麻雀は状況によるので計算できない」

と反論されたこともあります。

今では、オンライン麻雀などで、手牌だけならより正確な期待値を計算してくれるようになりました。
これより少し遅れて、パチンコ業界に期待値を導入したのが、パチプロの石橋達也さんでした。

当時は連チャン機は無かったので、わりと簡単にボーダーラインが計算できました。

「千円で何回回ればチャラ」

というボーダーライン理論は、1年ほどで読者のみなさんにも定着。その後連チャン機が登場して
も、連チャン率を考慮した計算方法がすぐに編み出されました。

「パチンコ必勝ガイド」には、連チャン機の各項目(大当たり確率・出玉・連チャン率・換金率など)を入力すると、ボーダーラインが出る簡単なソフトがあり、読者にも無料で提供していたように思います。

期待値は先にパチンコで定着し、やがては麻雀でも普及しましたが、実戦で判断するのはソフトというワケにはいかず、やはり人間です。

その場で正確な数値などは計算できないので、事前に目安を決めておくのがいいと思います。

「全部リーチしなさい」

成績の極端に悪い従業員には、こう指導しています。

ダマが正解になるのは、たぶん私たちが思っているよりも、かなり少ないと思います。
役アリのダマならアガれる確率は高くなりますが、それで喜んではいけません。

リーチをかけてアガる確率を半分に落としてください。

その代り、アガれた時の得点はおおよそ3倍です。すなわち期待値が高いということです(目安)。
リーチの次に得点加点に重要な役割を果たすのが鳴きホンイツです。

「役牌ホンイツ赤1のマンガン」

良く見ますよね。

クズ手でも役牌は1鳴き、バックでもかまいません。ツモ次第でホンイツ
ホンイツがいいのは、アガり確率が下がらないこと。

相手が牌を絞れば、相手の進行速度が遅れるので、クズ手がホンイツに育つチャンスが生まれます。
牌を絞ってくれてる内に、こちらが鳴ける形になることも、珍しくありません。

ホンイツがダメそうなら、相手のリーチがかかる前に、ノミ手でアガってしまいましょう。
チャンタとか余計で危険な1ハンは狙ってはいけません。

 

 

損得と価値の判断は別モノ
自分らしい麻雀も大事

私はギャンブルタイターなので、善悪や価値の判断よりも先に、損得の判断をしがちです。
銀玉親方だった時には、今では違法とされている機器や攻略法を使ったこともあります。

当時私が初めて紹介した「開店プロ」のやり方は、パチンコ店には忌み嫌われましたが、実践した人たちの勝ち分の合計は、少なくとも百億円単位になると思います。

そうした実利記事がウケる一方、パチプロの田山幸則さんは、一軒の店で攻略法も使わず、正確なボーダーラインも計算せずに(初期)に、勝っていました。

時給計算ではかなり高いんですが、月収などの総額で見ると、開店プロや攻略プロには届きません。
でも田山さんのスタンスと人柄は、読者や編集者や同業者にに圧倒的な人気がありました。

目先の損得よりも、自分なりの価値や善悪を大事にしていたからです。

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