冷静と情熱のあいだ、内川幸太郎の一打【Mリーグ2024-25観戦記 12/16 第2試合】担当記者 #江崎しんのすけ

冷静と情熱のあいだ、
内川幸太郎の一打

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年12月16日

12月17日 第2試合

東家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
南家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:勝又健志(EX風林火山)
北家:鈴木大介(BEAST X)

Mリーグ2024レギュラーシーズン106試合目。
トップを取ったのはサクラナイツ内川。

この試合でも、序盤は醍醐がリードしトップは難しいかと思われたが

南1局の醍醐の親番で、3,000-6,000を決め一気に逆転

タンヤオ・赤2の【4ソウ】【7ソウ】待ち、打点は3,900点だったが、4枚目の【2マン】を引き暗槓すると新ドラはポンしている【5マン】

リンシャンから【7ソウ】を掘り出し、タンヤオ・嶺上開花・ドラ5の跳満に仕上げる。

内川はMリーガーの中でも対局中に気持ちが表情に出るタイプの打ち手だが、今日の試合は鬼気迫るものがあった。

そしてここ一番ではしっかりと結果を残してくる、チーム・サクラナイツサポーターからすれば頼もしいかぎりの選手だろう。

この試合、豪快に決まった嶺上開花の3,000-6,000が注目されがちだが、試合の結果を変えていたかもしれない冷静な一打もあった。

南3局、勝又の親番。

勝又はラス目で持ち点が200点しかないので、他家から先制されようと真っすぐ攻めてくる可能性が高い。

内川は2着目醍醐と4,100点差のトップ目で、まだまだトップ安泰とは言えない。

1巡目、醍醐が切った【白】を勝又がポン。

4巡目、内川が切った【2ソウ】をチー

ドラもなく、ターツも足りていないリャンシャンテンだが、アガリを目指して真っすぐ手を進める。

そこに2着目の醍醐からリーチがかかる。

リーチ・ドラ4の【1ソウ】【4ソウ】【東】待ち。
【4ソウ】がドラなので、既にドラが4枚ある大物手だが、【東】が2枚切れており待ち枚数は以外と少ない。ただ【1ソウ】の場況が悪くないため、リーチをかけ他家を牽制しつつ、【1ソウ】ツモを狙っていく。

ツモると跳満以上なので、内川を1万点以上離してオーラスを迎えることができる。

このリーチに対して、後が無い勝又は当然真っすぐ手を進め、【3マン】【6マン】待ちのテンパイを入れる。

醍醐の【4ソウ】【7ソウ】、勝又の【3マン】【6マン】
ともに山に2枚ずつ残っていたが、【3マン】【6マン】は早々に他家が吸収してしまう。

4枚目の白を引いた勝又がカン。
新ドラは【8マン】

そして15巡目。

内川の手牌から完全安牌が無くなる。

内川はこれを入れてあと2回、牌を切らなければいけない。
一番選ばれやすそうなのは【1マン】だろう。

【2マン】【3マン】が内川視点だと3枚ずつ見えており、いわゆるダブルワンチャンスになっている。

さらに醍醐、勝又ともに【2マン】を早々と切っているため、【1マン】【4マン】が出てくる可能性は低そうに見える。(【1マン】は3枚見えているので、当たるのはリャンメンしかない)

しかし、内川が選んだのはなんと【6マン】だった。

これが勝又への放銃となり、2,000点の失点となる。

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