“次は貴方を救わない──” 頭ハネが喚起する、東城りおと渋川難波の苛烈なる戦い【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・1月17・19日】

そしてさらにこう受けることのメリットがある。

ハイテイ手番の東城。
渋川の当たり牌である【9ソウ】を持って来たのだ。

これが【3ソウ】【5ソウ】【7ソウ】【7ソウ】の形だと、ツモ切るしかテンパイをキープできない。
渋川に危ない【8ソウ】【9ソウ】を引いたときのため、【5ソウ】【5ソウ】【7ソウ】【7ソウ】で持っておくと、
ここでテンパイのまま、切る牌を選べるのである。

しかし東城は──

 

悩んだ末に【9ソウ】を放銃してしまった。

確かにここは難しい。
自身が2巡目に切っていて渋川にチーされていない【9ソウ】ではあるが、場に3枚目になる。
東城の談によれば、渋川がポンした【2マン】は2鳴きであり、
4巡目に北家が切った【2マン】から鳴いていないところを見ると、仕掛け始めからソーズターツが決まっていた可能性は低い。
もう少し考えれば、【9ソウ】切りは選ばなかったかもしれないと。

【7ソウ】での頭ハネに──、意識が引っ張られた可能性もある。

確かに渋川のカン【8ピン】チー後、1枚目の【2マン】が切られた時点での手はこうであり、
これは渋川が【西】バックだけにこだわらず、三色の保険を残して【7ソウ】を引っ張ったことによる好手順の結果である。
渋川の手組も、東城の思考も、ここは素晴らしい勝負であった。
東城は、本当に惜しかったと思う。

この後半戦、奇しくも東城と渋川が日を跨いで連戦という形になり、
頭ハネというルールが生んだ複雑な攻防に、競技麻雀ならではの面白さを感じた方もいるのではないだろうか。
早すぎた渋川の幸甚と、
再度脳裏によぎった頭ハネを狙った東城の、あと一歩での【9ソウ】放銃。
二人の勝負は、本当に目を見張るものがあった。
さらに激化していくであろう、セミファイナルボーダーを争う極限の知略を巡らす戦い。
東城と渋川の今後の激突が楽しみである。

そんな見るなよ。

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