136牌の後先に 想いを乗せて 勝又健志が切り込む 人知を超えた読みの領域【Mリーグ2022-23観戦記1／23】担当記者:徳岡明信

見事としか言いようの無い勝又の読み。
ドラのは松本には通った、そして寿人がポンしてイーシャンテン。

更に勝又のヤミテンはしっかり結果までもたらす。
安全牌に困った内川から出たのは松本の安全牌かつ勝又のアガリ牌のだ。

打点以上に価値のあるこのアガリに辿り着ける者がこの世に何人いるだろうか？
守備的なダマテンからの読みと心中した１発目のドラ切り。
勝又のスーパープレーに酔いしれた1局であった。

しかし松本だってこのままでは終わらない。

南2局3本場に内川のリーチ宣言牌を捉えて8000は8900のアガリ。
大きな加点と共に勝又の親を終わらせて望みを繋ぐ松本の親番。

またも松本に喰ってかかるのは勝又だ。
全力の親落としに向かう。すかさずをポンだ。

とはいえ、しっかりと松本対策も怠らない。
後に危険になりそうなマンズを全て払ってしまい、松本の現物である待ちにてテンパイ。
こうしておけば松本の親リーチにはテンパイを維持しながらも一旦迂回することもできる。

松本だって黙っちゃいられない。
絶好のペン引きからの高めドラのリーチ！
この手を成就すれば勝又の背中に手がかかる。

松本のリーチを受け、勝又が持ってきたのは。
もも現物ではあるがここは待ちの枚数を重視してに受けかえる。

激しいトップ争いに割って入るは内川だ。
ここまでアガリ無し。非常に苦しい展開を強いられている内川も闘志の炎は消えていないぞ。この手をアガって、最後の親番へ弾みをつけられるか。

しかしここでも軍配は勝又。
松本からアガって倍満ツモ条件すら消してしまう。

全て勝又の思い通りの展開だ。
松本も寿人も内川も最善を尽くしている。
しかし勝又が一枚上手なのだ。
上下がハッキリ分かれた点差で激化したこの半荘もオーラスの時を迎える。

運命のオーラス、其々の想いが技となりぶつかる極上の駆け引き

内川が必死にもがく。
テンパイ、テンパイで繋いだ南4局3本場。

勝又が終わらせにかかる。２巡目には早々にドラのを切って目一杯に構えていく。

この勝又のドラ切りを見た内川も必死に応戦だ。
をガッチリ1鳴きして、

もポン。
手牌はまだイーシャンテン。

チーム状況としては何としてもラスは避けたい。
その心の叫びを体現するような内川の愚直な仕掛けに心を打たれる。

そんな内川の想いに勝又は１ミリの情もかけない。
内川の2フーロにノータイムでドラのも被せていく。

何処までも押す時は押す、徹底的にオリる時はオリる。
勝又の代名詞でもあるメリハリの利いた押し引き。

この局は前者の鬼モードの勝又だ。

次巡、役アリののシャンポンでテンパイ。
この時勝又のアガリ牌は全ての山に残っていた。
対して内川は未だイーシャンテン。