こんな思いさせるなら はじめから優しくなんてしないでよ! 園田賢、今宵も芸術的なマクラーレン【Mリーグ2022-23観戦記2/14】担当記者:ZERO / 沖中祐也

では、この【發】を絞ると何が起こるか。絞った本人(仲林)と絞られた人(園田)が少しずつ損をして、相対的に脇の2人が得をする。

こうして決着巡目が遅れ、脇の2人の大物手が間に合う。

そういった傾向が強かったからか、門前・高打点型の打ち手(具体的に言うと近藤・黒沢など)が活躍しやすい土壌ができていたように感じる。逆に遠目の仕掛けを多用する打ち手、例えばたろうや石橋、それこそ園田あたりは苦戦を強いられてきた。

しかし3年目に堀が入ってきたあたりから流れが少しずつ変わってきた。

そして5年目、渋川・鈴木・仲林の3人の加入により、決定的に流れが変わったように感じる。

以前紹介した、渋川の

このドラ【1ピン】ポンに対しての打【中】などは強烈に印象に残っている。

どちらが正しいとか、どちらが悪いという話ではない。

傾向の変化があり、最適戦略が変わるのではないかという話だ。

そう考えると、ここ最近の園田の活躍はその推測にマッチしているし、この500オールは5年間アガれなかったものが潮流の変化によって具現化したものように見えてはこないだろうか。


東場の男

こうして園田は親で連荘して得たリードを保ったまま南入した。

今期の園田の南入時のトップ率は半分近くあるらしい(本人の体感)。

しかし二の矢が放てず、まくられてしまうケースがほとんどで、そのあまりにも芸術的なまくられっぷりに

マクラーレン・ソノダの異名が付き、チャンネル登録者も50000人を超える人気者に。

いやいや、園田だってまくられたくてまくられているわけではないし、全くもって嬉しくはない。

今夜こそは逃げ切ってやる… その思いで南場を迎えたはずだ。


南1局

園田は音速でこの【9マン】をツモ切った。テンパイを外した格好になる。
仲林がピンズ一直線の3フーロをしており、【6ピン】【7ピン】と切り出していくには危険かつアガリ辛いという判断だ。

【4マン】をツモったところでダマテンに構える。【5ピン】【8ピン】待ちだ。

仲林と待ちの色が被ったからリーチを打つという判断もあるが

仲林は3フーロしているがテンパイしていないこともありそう。(これもトレンドの1つと言えるかもしれない)→だから今なら脇の2人から【5ピン】【8ピン】が出てもおかしくはない。

さらに捨て牌の濃い東城(下家)からリーチが入ったときに瑠美や仲林から現物の【5ピン】で打ち取るケースもありそう。

いずれにせよリーチとダマでアガリ率が大きく違いそうだ。

しかし結果は…

同じくダマテンで狙っていた瑠美がタンヤオ・ドラ・赤の7700を仲林からロンアガリ。

リーチしていれば止まっていたかもしれない【5マン】だけに、園田の心に一抹のマクラーレンがよぎる。

一抹のマクラーレンってなんやねん!

ただ続く1本場も南2局も細かいアガリで園田の親番まで回ってきた。

まだマクラーレンポジションにいるとはいえトップ目であり、理想の展開とも言える。

南3局、園田の手が止まる。

ここから何を切るかが難しい。【發】は安全牌候補、【7マン】はドラということで残したい。

【1マン】も2人に安全牌かつ【2マン】が良さそうということで残したい。すると自動的に【1ソウ】【2ソウ】【5ソウ】ということになるが、園田は【1ソウ】を切った。ペン【3ソウ】のリーチを打ちたくない局面だし、連続で【2ソウ】を切ることができるのが大きい。

次のほとんどのツモで【1ソウ】を切っておいて良かった! となる手牌である。

そう、【3ソウ】以外。

なんでやねん! という怒りをこらえて園田は【5ソウ】を切る。

【1ソウ】【4ソウ】はフリテンになってしまったが、テンパイするまでに引けば問題ない。

引けば問題ないのだ! 今宵の園田さんは少し違うかもしれませんよ?

そして8巡目

【2マン】をツモってきてテンパイ。

ドラの【7マン】を縦に置き、テイスティング(味見)。

鳴かれなかったことを確認して、ツモ切りリーチを放つ!

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