こんな思いさせるなら はじめから優しくなんてしないでよ! 園田賢、今宵も芸術的なマクラーレン【Mリーグ2022-23観戦記2/14】担当記者:ZERO / 沖中祐也

来ている… 確実に来ている。

まず鳴かれなかったことが嬉しい。

何せ南家の東城はダブ【南】のポンを入れている。

なんでもないようなことが幸せだったと思うのだ!

さぁ一発で持ってくるのは?

光り輝く【赤5ピン】

この【5ピン】に東城の手が止まる。

 

ポンして勝負にいきたいが、出ていく牌は通っていないところだらけ。

東城は大事を取ってスルーした。

そして【5ピン】をトイツ落としていく。

(うんうん、りおちゃんもなかなか向かいづらいよねー大人しくそこで僕の2600オールが炸裂するの見ていてね)

と頷く園田。

「ツモ」

発声の主は

東城だった。ダブ【南】・ドラ2・赤の2000/4000。

(!?!!!??)

(オリてたんとちゃうんかい!)

手牌を二度見する園田は、こうして東城にマクラーレンしてしまい

8500点差でオーラスを迎えた。

祈るように開けた手牌はこちら。

満貫ツモが必要なので、マンズのホンイツがメインか。

しかし園田は3巡目に

仲林の切った【南】を1鳴きした。

当初の狙いであるホンイツに加え、赤をツモってのドラ【8マン】タンキ、もしくは5200直撃、さらにリーチ棒が出てからの1300/2600ツモと可能性はいろいろある。

そんな偶発的なものにかけて… と感じる人がいるかもしれない。

しかし門前で頑張っても結局はドラを重ねたり裏ドラ次第となり、偶発的であることに

は変わりがない。同じ偶発を狙うなら、少しでも早いほうがいい…というのが園田の判断である。

そしてこの仕掛けにはまだ他にも逆転ルートがある。

【南】の加カン… もしくは

【1マン】の大明槓による、50符狙いだ!

これでドラを2枚使うことができれば南・ドラ2の1600/3200となり、8500差の東城をきっちりまくれる。マクラーレンならぬマクレールンだ。

めくれたドラに震えた。

新ドラ表示牌に【東】がめくれ、【南】がもろのり。これで【8マン】に頼らずとも満貫が確定。

しかし、ここからが難しい。麻雀は雀頭を作るのが難しく、特に3フーロもしてしまってはタンキ待ちになりやすく、ツモアガリは相当難しいからだ。

できたよ、雀頭。それもあっさりと。

あとは場況のいい【2ピン】【5ピン】をツモるだけの簡単な作業。まかないも付いている。

できれば瑠美や仲林から出てくれば、山越しでの東城直撃もありうる… と考えていると

お膳立てするかのように仲林が【2ピン】を切る。

腰を使わないのは当然で、早くなりすぎないよう、いつもと同じ速度で、いつもと同じ動作で、ごくごく自然に手を伸ばす。

落ち着いて【4ソウ】をツモ切り!
しかし東城は【2ピン】【5ピン】を切らない!

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