昨シーズンから安い仕掛けた躱し手の和了りが少なかった伊達だが、今期は輪をかけて少なかった。
一方で面前での勝負手は成就している傾向にある。
これはもともとの伊達の手組のうまさに起因している。
打点を見る局と守備を見据える局の見極め。選球眼ならぬ「選局眼」が、今期は恐ろしいほどに展開にはまった。
例えば下記の記事に上げられているような「見切りの構え」がその一つ。
その戦法に隙は無し!KONAMI麻雀格闘倶楽部 伊達朱里紗に学ぶ「見切りの構え」【Mリーグ2022-23観戦記10/20】担当記者:ゆうせー
園田の1副露からトイトイを察知、この形からを止めることで加点を防いだ局など、まさに伊達の「選局眼」が光った今期のベストプレーの一つだ。
まとめると
「今期の伊達は、めちゃくちゃ和了った訳でもめちゃくちゃ放銃しなかったわけでもない。
しかし他の人も明確に飛びぬけることが出来なかった。
結果、要所要所で多くの高打点を決めることで順調に素点を伸ばした伊達がMVPに輝いた」
という形になる。
伊達の安定的な打ち筋が、ロースコアとなったMVP決戦を制する鍵となったといえよう。
例年通りのハイスコア決戦であれば、今期の伊達でも一歩届かなかったかもしれない。
しかし、ここで気がかりなことが一つ。
「レギュラーシーズンMVPはもれなくセミファイナルで失速する」という、これまで四年間続いている例のジンクスだ。
伊達ならば、きっと乗り越えてくれるであろう。
その安定した打ち筋とプレッシャーへの強さ。
そしてなにより
ドラフトで指名されたあの日に築かれた、誰よりも大きな最初の壁を、彼女は乗り越えてきたのだから。
(本記事内で使用しているデータはMリーグ公式サイト https://m-league.jp/stats/ 及び、Mリーグ成績速報(非公式)様 https://twitter.com/mleague_results より引用させていただいております。この場を借りてお礼申し上げます。)