河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜増やした引き出しを活用せよ!〜瑞原明奈編

『おはようございます! めちゃくちゃ表情がこわばってるじゃないですか! リラックスリラックス!』

筆者がパイレーツの試合を初めて解説する日、1人で佇み、緊張で誰も近付けないオーラを放っているところに天使の微笑みで話しかけてくれた。

緊張して吐きそうだよ~! と言ったら、そこから普段通り笑えるまで、ずっと話し相手に。

明奈ちゃんは覚えていないだろうが、筆者にとっては忘れられない1日であり、その日、最後までやりきれたのは間違いなくその優しさのおかげだ。

人気、実力共にトップクラスの彼女は、真面目で、よく笑い、仲間想いの優しい選手だ。
弱っているところを人に見せることはほとんどなく、筆者は仲良くしてもらってる方だとは思うが、そんな自分でも明奈ちゃんの電源がOFFになってる瞬間は一度や二度しか出くわしたことはない。

張り詰めたプレッシャー、そして日常では二児の母。

筆者には計り知れない日々。

ただ、明奈ちゃんに現状を聞いたらきっとこう答えるだろう

『充実してます! 楽しんで日々生きてますよー!』

どこまでも研鑽を続ける彼女には魅力の塊しかないのは言うまでもない。

そしていつか、
『河野さん!』から
『直也さん!』になりますように…

皆様こんにちは!
週末記事担当、最高位戦日本プロ麻雀協会の河野直也です!

今回の究極の決断は12月1日第一試合

筆者が解説をした日の試合から。

それでは早速スタート〜!

本日が今シーズン7試合目となるU-NEXTパイレーツ瑞原明奈
ここまで6試合は1着3回、2着2回、4着1回で+182.9ポイントで個人2位の好成績。
しかし、34試合を終えた時点でのチームは−167.0ポイントの7位と苦しい状況。
昨年個人MVPに輝いた瑞原への期待は否が応でも高まる。

個人連勝となるか!?

筆者には瑞原の麻雀をよく見てきて知っているという自負がある。

リーチがとにかく好きな選手で、Mリーガー32人でも特に、配牌からの構想でリーチを外さない選手だと思う。
と、同時に仕掛けにおいてはかなりの欲張りさん。
対応させるというよりは、鳴いているときはしっかり勝負手が入ってるイメージが多い。

守備面は緻密な知識と計算から押せる無筋の精査がかなりされていて、自分の手が見合ってる見合ってないだけじゃなく、踏み込めるものは自分を信じて踏み込むが、これは無理という牌に関しては手に溺れずスッと引く。
膨大な勉強量から培った技術だなぁ…と感心すると同時に、自分も負けてられないと思わせてくれる。

あと‥
ダブ【東】がすんごい好き!!!
これは筆者しか知り得ない情報かもしれないから内緒で教えときます。

東場は2000点のアガリ一回で点数的には苦しい3着目。
迎えた南1局の親番の配牌がこちら。

イマイチ‥
役牌の【南】があるが、瑞原自身が好む配牌には程遠く、むしろ1枚目の【南】は鳴かず、浮いてる牌の【7マン】【3ピン】【6ピン】がリャンメンになってリーチを目指したり、もし【南】を鳴くときはホンイツを見るのかなぁと解説で思っていた。

すべてを見て1番手役に必要のない【1マン】を切った直後、西家の内川から、【南】が打たれる。
これを瑞原はなんの躊躇もなくポン。
ここからは、瑞原本人の思考と共に皆様にお届けしよう。

『安くて形も良くないけど、1枚目の役牌ポン発進、この辺はコバゴーイズムとも表現しましょうか』

瑞原は、自分に合ってない選択は、得かもしれないと思っていてもその後の選択に自信がないならやらない方がいいと考える選手だ。
だからこそ取捨選択がスムーズ。
でも最近は、苦手意識をなくし、鳴いた未来を強く信じて打っていることを、打牌で教えてくれている。

雀風を変えるというのは付け焼き刃で出来るはずがない。
けど、考えることが好きな瑞原であり、抜群の麻雀センスを持つ彼女だからこそ取り入れた武器はいつしか自分のものになっているのだろう。

上家の亜樹からでた【2ソウ】をチーして、【3ピン】を切ればカン【8マン】のテンパイだが、瑞原の選択は

【9マン】を打ってテンパイ外し。

直前に【8マン】の2枚目が切られたことと、【3ピン】が自分の目から4枚全て見えていて相手は使いづらいこともあり、メンツも作りやすい。
冷静な判断だ。

瑞原に【8マン】が一枚切れだったなら? と聞くと

『とりますね! 2枚でもとりあえず取る選択もあったのですが、ピンズの下が安すぎて形もよかったのであの選択になった感じでした』

驚くべきはこの返信速度。
実はこの会話、試合から3日後のこと。
既読がついてからわずか1分でこの反応。
本人は見返して復習したから、と言っていたが、その努力も並大抵のものではない。
強いわけだ。

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