【EX風林火山 IKUSA観戦記】勝者は笑い、敗者は泣いた あらゆる情念を飲み込み、いざIKUSAの決勝へ 文・東川亮

次局、1シャンテンだった志岐が出来メンツ【1マン】【2マン】【3マン】から【4マン】をチー、【1マン】を切るとルール違反の食い変えになるので【5ソウ】を切る。これは門前進行よりも仕掛けてタンヤオにしてのアガリを見た格好だ。
この局のドラは【南】、自分が安い仕掛けだとアピールすれば、しゅもや逢川がドラを持っているもののアガリが遅いという場合、アシストして試合を終わらせてくれることにもなるかもしれない。

意図を察したであろう逢川が、出来メンツから【3ピン】を抜く。

これを鳴いてテンパイ。

後のない早川からすぐに【2ソウ】が打たれ、試合終了。最後は志岐と逢川がクレバーさを見せ、早川がここで涙をのむこととなった。

第4試合結果
1位:志岐祐大 +65.6
2位:しゅも ▲2.4
3位:逢川恵夢 ▲25.7
4位:早川健太 ▲54.2

準決勝の最終結果はこちら。上位4名が、6月3日・4日に行われる決勝へと駒を進めることとなった。

全対局終了後のインタビューで、一瀬は涙で前を向けなくなり、早川も言葉を震わせていた。その姿からは、IKUSAに対する選手それぞれの熱い思いが感じられた。

もちろん、それは佐藤や浅井、そして準決勝にたどり着けなかった数多くの打ち手も同様のはずだ。

麻雀打ちとしての誇り、自らへの応援、さまざまなものを力に変え、選手たちは卓につく。その思いが凝縮された決勝には間違いなく、麻雀の魅力が詰まっている。

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