仕事が無くなり
病気になったら
右の小見出しは私自身のこととして、時々心配しています。
子供のころから長く働いてきましたが、残念ながら年金も持ち家もない老後になってしまいました。
優秀なサラリーマンなら、すでに住宅ローンを完済し、ある程度の老後資金を貯め、定年退職して年金が受給できる年齢です。
子供を育て上げ、孫もいて悠々自適の暮らしの人も多いと思います。
私の雀荘にもそういうお客さんが多いです。
失業の心配は無して、病気の心配くらいですかね。
羨ましい。
私の若いころからの麻雀仲間の銀行員は、これらの条件をすべて満たして、今は定年退職後の職場で再雇用してもらい、週末には麻雀を楽しんでいます。
彼が凄いのは、年間を通じて会社にいる時間よりも、雀荘にいる時間のほうが長いという生活を、たぶん20年くらいやってて、クビにならなかったところ。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、雀荘に専用のベッドがあったくらいですから。
クビにならないだけでなく、業績優優秀でかなり出世しました。
その証拠に、定年退職後にいったん嘱託で職場復帰したものの「給料が安くなった」という理由で、再び正社員にしてもらったくらいです。
私は時どき彼の職場に顔を出し、お互いの近況や昔話をしてますが、実に羨ましい。
一方の私は年金無し借家住まいで今も働いてますが、病気にさえならなければ、なんとかなりそうな気もします。
仕事自体は苦痛に感じたことはめったにありませんから。
さて年配の男性目線の話しはこれくらいにして、若者の仕事や病気の心配はどうでしょう?
西原理恵子さんは「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」などの著書で、若い女性に対して経済的精神的な自立を、大いに奨めています。
たとえ結婚していても、今後するつもりでも。
「仕事が無くならない夫や、病気にならない夫はめったにいません。その時になってオロオロしても遅い。早めに稼げるようになりましょう」
さらに
「万が一そういう夫に巡り合えて結婚できたとしても、あなたを一生愛して面倒みてくれるとは限りませんよ」と。
「素晴らしい夫ほど、既婚者であっても狙ろてくる女性はいっぱいいます」
最初私はピンと来ませんでしたが、やがてギャンブルライターなりに、なるほどと思うようになりました。
「そうか、これらを全て満たして女性の人生が死ぬまで安泰ってことは、確率上すごく低いということか」
3つ全部起こるってことじゃないですよ。
1つでも起こると苦境に追い込まれます。
今年1年なら大丈夫そうでも、長い人生ではどれかがいつか起こる可能性が凄く高いですよね。
もちろん同時に起これば、状況はさらに厳しくなります。
日本の離婚率は3分の1、アメリカは2分の1だそうですが、家庭内離婚と呼ばれる実質的な婚姻破綻も含めると、結婚当初の夢のとおりのハッピーな一生を送れるカップルは、西原さんの直観どおりかなり少なそう。
若い男性も失業や病気のリスクは高齢者ほどではないもののあります。
はるか半世紀以上の昔、世界中の経営者から尊敬されている、経営学者のピータードラッカーはこんなことを述べてます。
「あなたが勤めている会社の寿命は、おそらくあなた自身の生涯労働年数よりもかなり短い」
つまり、西原さんの言うように会社はツブれた当たり前だと。
あ、思い出した。
「お店はニキビよりも簡単にツブれる」
て私も良く書いてましたわ。
私は中学生の時に、ヤクルト(モドキ)の販売店を作って以来何軒も店を作りましたが、残っているのは僅かです。
もっと優秀な経営者なら違っていたかもしれませんが、良く店をツブしましたから。
ドラッカーのアドバイスは、「現在の仕事に全力を尽くし、さらに転職能力も身に付けておけ」
と西原さんとほぼ同じです。
最良を期待して
最悪に備える
「起こる確率は低くても、長く続けていればいつか起こる」
私が生まれ故郷の高知から東京の高田馬場に流れ着いて半世紀近くになりますが、当時のお店で残っているのはほとんどありません。
駅前のパチンコ店は健在ですが、麻雀店はほとんど残ってないです。
意外と強いのは質屋さんと学生ローン。
仮に3%の店が生き延びているように見えても、実際には93%のハコが何回も代替わりしているので、実際の生存率は1%よりも遥かに小さい。
私も新しい店を希望に満ちて作っている時に、まさかツブれるとは思っていませんでした。
でも残った店のおかげで、古い付き合いのお客さんとも麻雀が打てるし、なんとか生活もできるのは、今のところ幸運だと思ってます。
生活の中での確率の話しで、私自身が勘違いしたことがあります。
数年前に腎臓がんと診断されたことがありました。
「そんなバカな」
まず拒否反応が起こります。
「今自分は虫歯が痛くて腰痛もある。虫歯と腰痛とがんが同時に起こる確率は低い。なのでがんじゃないもんね」
とか。
大昔、麻雀の捨て牌読みの記事に次のようなことが書いてありました。