強いのは
Mリーガーだけじゃない──
オーラスの接戦、
浅井裕介が放った魂のリーチ
2023年6月26日I卓 文・江崎しんのすけ
予選I卓

長かったMトーナメント予選も終盤に差し掛かっている。
予選I卓ではMリーガ2人vs団体推薦者2人での対局となった。
浅井裕介(最高位戦日本プロ麻雀協会)


「日本一キレやすい雀士」の異名を持っており、近年麻雀マスターズなどのタイトルを複数獲得している、まさに今勢いに乗っている選手だ。
白銀紗希(日本プロ麻雀連盟)


プロ歴11年。自団体のタイトル戦である女流桜花で、前王者であった魚谷を倒し見事初タイトルを獲得した。
手数は少ないが、攻め時と見ればとことん押すメリハリのある麻雀が特徴。
1回戦
東4局
浅井にチャンス手が入る。

ピンズで1面子完成しており、赤ドラもある手。
手なりで進めればか
を切りそうだが、浅井はリャンメンを固定する
を選ぶ。

この手の本線は・
を重ねたピンズのホンイツ。
もしくは回りを引いて
を落としたメンタンピン三色。
七対子は見切ることになるが、上記のような高打点ルートを残しつつ、他家が不穏な動きを見せれば中を鳴いて緊急回避も選択することができる柔軟な一打だ。
数巡後、・
と引き、ホンイツに拘らずとも打点が確保された。

その直後、を引きカン
と
のイーシャンテンとなるが…

浅井はイーシャンテン取らずのツモ切りを選択。
ピンズの場況が悪いと見てソーズ・マンズでもう1面子を作りにいく。

この選択が功を奏す。
を引き一盃口が完成すると、
を引き絶好の
待ちテンパイとなりリーチ!

2巡目にを切って固定していたことで
が盲点になる非常にいい待ちだ。


このリーチに親番だったたろうがリーチ宣言牌で一発放銃となる。
リーチ・一発・一盃口・赤2の8,000点で浅井がトップ目に。

放銃したたろうも驚きを隠せない。
たろうの目からはが3枚見えており、
一筋勝負の感覚で切ったのだろう。
痛恨の放銃により3着まで落ちたたろうだが、これしきでは土俵を割らない。
続く南1局、4巡目たろうの手牌。

七対子ドラドラのイーシャンテンになっている。
序盤にを切っている亜樹と、マンズのホンイツをやっている浅井がいるため場況が良いと見ての
+字牌を残している。
マンズのホンイツの浅井がを切っているが、かまわず
を切り飛ばす。
2着以上が勝ち上がりのルールなのでトップ目の浅井に放銃するよりも、競っている親番の白銀がアガる方が不利になると見て強気に攻める。

そしてを重ねテンパイ。
当初から狙っていた単騎でリーチをかける!

仮にを切って
単騎だったとすると、変則的な河から七対子だと読まれ簡単には出ないだろう。
しかし単騎なら、変則手と読んだとしても看破するのは難しい。
この七対子に親番で先にテンパイを入れていた白銀が捕まる。
待ちに
を引き、待ち換えの打
を選択する。