【 #神域リーグ2023 第6節第16試合観戦記】それでも皆が待っててくれた 助けてくれた、だから 或世イヌは応えたい【文 #後藤哲冶 】

トップへの道は長く険しく
それでも皆が待っててくれた
助けてくれた、だから
或世イヌは応えたい

私は或世イヌ(あるせ いぬ)というVtuberを知らなかった。

今年の3月末に行われた神域リーグドラフト会議。
チームアキレスの3人目に指名されたその名を……恥ずかしながら私は知らなかった。

私は去年から神域リーグ観戦記者を務めさせて頂いていることもあり、ドラフトにかかった多くの選手を知っていた。
それは今年からの参戦になった選手でも同じ。

しかしその中で、或世イヌという名は、初めて聞いたのだ。

そして迎えたデビュー戦。或世は惜しくも2着という結果に終わったものの。
その戦う姿はとても印象に残っている。
或世はまだ麻雀を初めて間もない。実際、このデビュー戦は避けられた放銃もいくつかあった。
しかし、それでも。或世はそんな中で必死に藻掻きながら。

「もっと出たかった人だっていっぱいいるんだからさ。 色んな人の想い背負ってやってんだ俺だって」

そう口にした。
その言葉を聞いた時から、私は或世イヌという打ち手に惹かれていた。

今日はデビュー戦となった第1節以来の、久しぶりの登板。

デビュー戦が終わってからの数か月、登板がない間も、或世は麻雀を打ち続けた。
事実、この第6節の試合が始まる直前まで、段位戦を打っていたほど。

努力を重ねた或世が、2回目の神域の舞台でどんな麻雀を見せてくれるのか。

第16試合
東家 松本吉弘 (チームヘラクレス)
南家 朝陽にいな(チームグラディウス)
西家 鈴木勝  (チームアトラス)
北家 或世イヌ (チームアキレス)

東1局

或世がこの【東】をポンして、大きく息を吐いた。
現状、雀頭がなくポンしない人も多そうだが、この手はドラも赤もなくリーチに行けたとしても高くなるパターンが少ない。
或世が師と仰ぐのは同チームの白雪レイド。アガリを貪欲に狙う姿勢は、しっかりと引き継がれている。

これを朝陽からアガって、まずは1000点のスタート。
打点低くとも、緊張を和らげるという意味でもこのアガリは或世にとって大きい。

東2局に朝陽が松本から7700をアガってトップに立ち。
更に勝の2000点のアガリを挟んだ、東3局

或世の配牌。第1節ではホンイツを狙う姿が多かった或世。
であればもちろん。

初手ドラの【9ピン】切り。
もうホンイツにしか行く気がないのであれば、より危ないドラの【9ピン】からというのは理に適っている。

【南】もポンしてこれで手牌は全て字牌とソーズで埋まった。
ホンイツの良いところは、これで途中にリーチが入ったとしても、ある程度守備力が担保されていること。
実際、この後松本からのリーチに、或世はしっかりとオリていた。

松本のリーチを受けた後、最終盤で勝がテンパイを入れる。
出ていくのは【7ピン】だが……

ここは、無理をしない選択。打点がとても高いわけでもなく、待ちが優秀なわけでもない。
良い選択。

しかし次巡、まさかの【2ソウ】ツモ。
これでもう一度テンパイ。
勝は、今度はテンパイを取るために【7ピン】を打つ選択。

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