最速打点派マーメイド
魚谷侑未!
東場で勝負を決定づけた
驚愕の裏3倍満ツモ!
文・危険な鬼太郎【月曜担当ライター】2021年12月6日
ここですこしだけ小話をするが、実は解説の土田浩翔という男はとても凄い男なのだ。
日本プロ麻雀連盟のタイトル戦である十段戦を二連覇。現Mリーガーでもある瀬戸熊や多井を破って連盟の最高峰のタイトルでもある鳳凰位を獲得し、一時期は土田浩翔こそが最強の麻雀打ちだと話題にもなった。この男は名実ともに兼ね備えたトッププロなのだ。
ただの七対子に興奮するおじさんでは無いという事を皆さんに伝えたい。
東1局 親・岡田 ドラ
松ヶ瀬がそこそこのイーシャンテンで小考。
を切ればカンに加えてやの縦重なりでピンフのリーチが打てるので打の一手かと思いきや、
ここは打。松ヶ瀬はピンフにすらならない可能性があるイーシャンテンからは安全牌を捨てない。
こうしておけばや裏目のをたとえ引いてしまったとしても567のタンピン三色にまで移行出来る。だけが純粋なる唯一の裏目だが自分で2枚持っている牌で、ピンフのみの裏目に過ぎず打点派の松ヶ瀬は気にもしない裏目なのだろう。
巡目が進み中盤過ぎにを再度ツモる松ヶ瀬。
今度はを抱えて完全安全牌のを切って手広さを取る。この巡目ならば誰からリーチが来てもまぁ降り切れるだろうし、最悪は形式聴牌まで考えておきたい所。
ここでドラを3枚抱えていた魚谷が絶好のを引き入れリーチ宣言!
待ちのリーチ! この待ちはリャンメンにも関わらずこの時点で山に1枚しか残っていなかったが…。
魚谷はこれをツモって何と裏3。リーチツモドラ6の倍満! 4000-8000のツモアガり。
さらに魚谷は続く東2局にリーチをしている村上からを捉え、
タンヤオドラ3の8000をアガる。1回戦3着ながら2回戦に連闘した魚谷、1回戦の鬱憤を晴らすかのような連続アガリだ。
東3局 親・魚谷 ドラ
親番の魚谷が聴牌から小考。
を切ればリーチ赤赤のとのシャンポンリーチが打てるが…。やはりシャンポンリーチは待ちが悪く不服な所。この勝負手がもし流局してしまったら悔しすぎる。
ならばを切ってタンヤオと、マンズの四連形を活かした好形リーチを狙いたい所。
しかし魚谷は、
を切ってそのままシャンポンでのリーチ宣言! これは自身の持ち点と、自分の目からドラが4枚見えているのでリーチに行きやすかったか。
場にドラのが2枚見えており、自分で赤牌を2枚使っていて他家に勝負手が入る事もそうそうないだろう。勝負手が入っていない以上他家は親番に魚谷に放銃して着順が落ちる事を恐れ1枚たりとも無筋を勝負は出来ないはず。
現に岡田は、
このピンフのみのイーシャンテンの手牌で、魚谷の捨て牌を見るにぐらいは通りそうに見えるが、
当然ここは現物の打として手を壊す。通りそうで親に勝負は出来ない。
仮にやワンチャンスのを勝負して魚谷のリーチを蹴れたとしても、自分の手はリーチを打ってもたった二千点の手なので何の足しにもならず、もしそれで親の魚谷に放銃してしまえば4着を覚悟しなければならない展開になる。
魚谷も他家が降りる事を込みで即リーチを打っている訳だ。ツモれば僥倖な展開だが、
一人聴牌でも十分な加点。ここは魚谷の一人聴牌で流局。コツコツと魚谷が点棒を稼ぐ。
その後、松ヶ瀬のマンガンや岡田の連荘など村上一人アガれない展開が続き、場は南2局まで進む。
南2局 親・松ヶ瀬 ドラ
トップ目の魚谷が早々にマンガンのヤミテンを入れる。
タンヤオ三色赤のカンのヤミテン。このままさっとアガり切れるかと思いきや、ここまでノー和了の村上がリーチ宣言!
七対子ドラドラの単騎。ここまで耐えに耐え続けた村上。この手は是が非でもアガりたいが、すぐに親番の松ヶ瀬から追っかけリーチ宣言!
での延べ単で村上のリーチに勝負する松ヶ瀬。この手さえアガれたらトップ目まで見えるかもしれない。
3人とも山に自分のアガリ牌がたっぷりいたが、この勝負局を制したのは…。
を叩きつける村上! 裏ドラこそ乗らなかったものの、リーチツモ七対子ドラドラの3000-6000のアガリ! 無駄な放銃をせずにずっと耐え忍んでいたご褒美がようやく来たか。