オーラス、鈴木優が仕掛けた罠
“戦闘民族”その強かな牙は
Mリーグの頂点に届き得るか
文・後藤哲冶【金曜担当ライター】2022年10月28日
10月28日 第2試合
東家 多井隆晴 (渋谷ABEMAS)
南家 鈴木優 (U-NEXT Pirates)
西家 二階堂亜樹 (EX風林火山)
北家 黒沢咲 (TEAM雷電)
本日の第2試合の東場は非常に速い展開で進んでいった。
まずは東1局。
親番の多井がこの形からをポン。
789三色になれば5800。解説の土田プロは今日の多井の手順を『直線的』と表現したが、多井は基本的に親番や自分の手牌が整っている際は元々直線的な手組が多いように感じる。
特に親番での副露は、相手に圧をかける意味も大きい。
ある程度の形さえあればこのように仕掛けていく。
しかしイーシャンテンだった亜樹はこの多井の仕掛けに屈しなかった。
力強くを切って先制リーチ。
それに応じるように多井も亜樹のリーチ宣言牌であるをポン。
ペンと待ちは悪いが5800のテンパイだ。
決着はすぐについた。
亜樹がをツモアガって13002600の加点。
続く東2局も軽快に仕掛けて親の優から3900のアガリ。
亜樹が少し抜け出すことに成功した。
東3局は優が仕掛けて1000点のアガリ。
ここまで早い展開で局が進み、そうして迎えた東4局。
その配牌。
なんと親の黒沢、そして多井、優までもが配牌イーシャンテンという事態。
多井に至ってはダブルリーチチャンスですらあった。
先制テンパイは多井。
4巡目にカンのテンパイを入れる。
ここは慎重にダマテン。
ピンズの情報がほぼなく、ドラが1枚あるとはいえ焦ってリーチに行くような局面ではないと判断したか。
その次巡、優が追い付く。
チートイツの待ちとしてうってつけの単騎でリーチ。
多井としてはこういった押し返しがあるから故のダマテン選択。
一つ、選択が功を奏した、と思いきや。
リーチした優に1度のツモ番も与えず、そのままツモ。
ダマテンに構えたため、5001000と点数自体は大きくないが、リーチを交わせたことの意味合いは大きい。
こうしてスピーディーに東場が終了。
ここまでおよそ14分。
しかし、そんな東場とは打って変わり、南場は大きく点棒が動き始める。
南1局
親の多井がこの形からをポン。
やはり多井は親番での仕掛けはレンジが少し広くなる印象だ。
連荘を狙っていく。