熱論!Mリーグ【FS第14節】
質が高すぎる勇敢な打牌!
滝沢とのシーソーゲームを
制した園田賢のミスなき選択
文・梶谷悠介【FS第14節担当ライター】2019年3月23日
ファイナルシリーズも半分が過ぎた。
麻雀なら南入したところで点差はまだそれほど気にすることはないが、リーグ戦だと少し違ってくる。
というのは1半荘でトップラスの順位点差は80pt、これに素点を含めると約100ptが1試合で縮められる現実的な点差だ。
ファイナルステージ13試合を終えたところで1位ドリブンズは2位風林火山と211pt差、残りは11試合だがポイント差を考えると9試合を終えてリードがこのままならほぼ優勝が決まってしまうということになるのである。
これが4位ABEMASとの差ということになると、649pt差なので残り5試合で少しでもポイント差を縮めないと早々に終戦ということになりかねない。残り試合数×100ptのデッドラインはもうそこまで来ているのである。
つまりドリブンズ以外の3チームはドリブンズにだけは勝たせたくないのだ。当たり前だが貴重な試合数を消化してリードを広げられることだけは避けなければならない。
こうして始まったファイナルシリーズ第14試合だが出場選手を見ると
各々に女性ファンがついていそうなイケメン対決ではないか。
それでは対局を見ていこう。
東1局0本場
松本の先制リーチを受けて親の園田。現物はとがあるが何を切るか。
この手を筋の打とするのは甘い。筋といってもカンやペンはあり得る。またテンパイチャンスも打かとすれば24枚だが、打は19枚と5枚少ない。
園田は打としてテンパイチャンスとカンを先に筋を通しておいて良くすることを優先した。ソーズの下が全体的に安かったというのもあるだろう。
これが追っかけリーチ一発ツモの4000オール。他3チームが最も嫌がることを初っ端にもってきた。
東1局1本場
続く1本場、寿人の先制リーチに滝沢がドラのを重ねて追っかけリーチをかけると
満貫をツモって園田に迫る。やはり好調な上位2チームの戦いになるのか。
東3局0本場
親番の滝沢、第1打に選んだのはだった。
この手でホンイツの5ブロックが見えている。ドラのない手で満貫を狙うならマンズかピンズの両面落とししかない。を切ったのはとドラのツモに対応できるからだろう。落としだと引きが完全に裏目になってしまう。またチャンタも見ることができる。よくよく考えればこれしかないと思える滝沢らしい丁寧な打牌だ。
ダブをポンしてイーシャンテンとすると
カンが入ってカンの5800テンパイ。
これを受けた園田。ポン、をでチーしてバックのテンパイを取っていたがを掴んでしまう。
滝沢はと外しておきながら最終手出しはだ。チャンタのペンはあり得るが、が場に見えていないためと持っていたら打としてシャボに取るだろうとの読みでを切っていった。
だがであっさり後退。チャンタに絡むところならやはり切りにくいところだ。また自身の待ちが滝沢に危険な牌でもあるため脇から出アガりにくいというのもあるだろう。
2000オールをツモった滝沢が再び園田に迫る。
東4局1本場
この滝沢の第1打も面白い。手なりで打つならかだが、滝沢は打とした。
手にドラがなく愚形ターツが残っていて手なりで進んでもあまり嬉しくはない。それなら上の三色を狙いつつ字牌を重ねて使うか後半の受け駒としての価値を重くみたのだろう。
寿人がをポンしているが打としてイーシャンテン取らず。役なしテンパイに価値はないということか。
これが一気に大物手のテンパイにつながり
倍満のツモ!
もう一度上にスクロールして配牌の画像を見て欲しい。あの配牌からこの最終形を想定していたとしか思えない手順でアガりきった。園田の鋭い鳴きに対して滝沢は丁寧な手順で対抗する。
南1局0本場