熱論!Mリーグ【FS第13節】
多井隆晴の茨の道
限界を超えた
リターン追求の行方
文・真中彰司【FS第13節担当ライター】2019年3月23日
2週間の充電期間を挟み、ファイナルシリーズも今日から後半戦に突入。
泣いても笑ってもあと12半荘で優勝チームが決まる。
優勝争いはドリブンズと風林火山の激しいデッドヒートになっている。
反対に、下位2チームは置いていかれて厳しい状況だ。
麻雀格闘倶楽部は最低4勝、そしてABEMASは最低でも5勝が必要になる。
最低でも12半荘中5勝以上。
崖っぷちのABEMASが送りだしたのは、エース多井隆晴。
先週は痛恨の大三元放銃という憂き目に遭った。
チームもサポーターも自分の失点も、全て背負って卓上へと向かう。
東1局、起家の多井は攻撃モード全開。
ドラと赤があるとはいえ、カンチャン2つ残りの苦しい形。
を残して安全に進行する手もある。
しかし今欲しいのはトップだ。そして親番はあと24回しかない。
そのためにはもも、いやですら逃せない。
手牌を目いっぱいに広げて打っていく。
ようやくテンパイしたが、待ちのカンは既に3枚切れ。
さすがに勝算が薄いと見て、ダマテンに構える。
しかし、リーチしなかったために押しやすくなった村上がテンパイ。
さすがのリーチ超人もここはダマテンに構える。
多井もテンパイを維持したまま、最終ツモに手を伸ばす。
「掴むなよ?絶対に掴むなよ…?」
白鳥の、松本の、そしてABEMASサポーターの張りつめた声が聞こえてくる。
多井の最終ツモは。ここは凌ぎ切って2人テンパイ。
なんとか連荘に成功した。
続く東1局1本場、ここも多井は目一杯攻めていくが…
しきりに警戒している相手が1人。
これに飛び込んだのは、首位ドリブンズの村上。
結果として寿人に先行されたものの、多井にとっては悪くない横移動だ。
東2局では、なんとこの形から、3巡目にカンをチー。
あの打点重視の多井が、まだ序盤の3巡目に、バックで2000点。
見たことの無い多井の仕掛けに、鬼気迫る覚悟を感じた。
しかし村上のドラ3リーチを受け、この局はあえなく撤退。
亜樹・寿人も手が整わず引き気味だ。
一人旅となった村上が跳満をツモ上がり、ラス目から一気にトップへ。
他3チームにとっては辛い展開になってしまった。