多井隆晴の茨の道 限界を超えたリターン追求の行方【熱論!Mリーグ/FS第13節】

なんとしても村上の独走を止めたい31本場

多井にドラ3のチャンス手、しかもがポンできた。

最終的にはカンと一見苦しい形になったが、なんとこの時点で山に4枚。

道中、を引いて小考。

を切ると、ツモで3面張へ移行できる。

しかし多井はツモ切りを選択。

あわよくば暗槓して跳満まで目指そうという意志が見える。

この手を寿人からアガって、本日初アガリの8000点。

村上からの直撃とはいかなかったが、着実にトップを狙っていく。

4も、ピンフのみの手で寿人と村上の仕掛けに真っ向勝負。

どんなに安い手でも、全力で打点を上げに行く。

ハイリスク・ローリターンだが、直撃を狙うためにはこうせざるを得ない。

そして村上も満貫のイーシャンテン。

多井は静かに待っていた。

村上に大物手が入り、押さざるを得なくなるその瞬間を。

「ロン。3900」

ついに守備力の高い村上からの直撃に成功。

たった1枚の裏ドラでも、今のABEMASにとっては救いの神様だ。

村上との点差を維持しつつ迎えた3

ぜひとも村上に親被りさせて逆転したいところ。

しかし、どうも河がおかしい。

なぜか字牌が1枚も出てこないのだ。

念のため、は切らずに留めておく。

4巡目、最初に場に放たれた字牌はだった。

これを村上がポン、ピンズのホンイツ模様の河になった。

異常事態を察知した多井は、の対子落としで一時撤退。

自身の手は、リーチのみになりそうな2シャンテン。

を打つには、あまりにも手牌が見合っていない。

そこに亜樹からのリーチで、が通った。

運よくが暗刻になり、多井もを合わせる。

は勝負牌になりつつあったが、まだ切れない。

村上と亜樹に真っ向勝負を挑むのだから、それなりの待ちでなければ…

ついに引いた。4面待ちになる、ほぼ唯一の

打点もをツモれば満貫と、及第点だ。

は危険だが、もう行くしかない。

多井は勢いよくを横に曲げた。

「…ロンっ!18000」

ABEMASサポーターの悲鳴が聞こえた。

声の主は村上。小三元までついての跳満だった。

12000までは覚悟していた多井も、さすがに18000は想定外。

「はい…」と力なく点棒を差し出した。

なんとか2着を確保しようと、必死にテンパイを取りに行く多井。

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