もう迷いたくない…
屈辱をバネに進化し続けた
360日後の丸山奏子
文・masasio【金曜担当ライター】2020年10月23日
今から約1年前、2019年10月29日
一つの伝説が生まれた。
オーラスを迎え、ラス目に沈んでいた丸山は、リーチ後に出たアガリ牌を見逃し、自身の最後のツモ番で見事ツモアガリ。倍満ツモで劇的な逆転トップを飾った。
参照記事:「不安材料」が「希望の星」に変わった一日。丸山奏子、奇跡のジャイアントキリングhttps://kinmaweb.jp/archives/89577
満面の笑みで勝利者インタビューを受ける丸山。
この時は丸山自身の未来も、ドリブンズの未来も明るいかに思われたが、現実は残酷だった。
2019レギュラーシーズン。丸山は10試合に出場し、2着3回、3着2回、4着4回、そしてトップが1回。
そう、デビュー戦以降ノートップの大ブレーキ。マイナス139.8ポイントでシーズンを終えた。
そしてドリブンズも思うようにポイントを伸ばせず、マイナス276.3ポイントというスコアで7位。
まさかのレギュラーシーズン敗退に終わった。
そして迎えたMリーグ2020開幕。
10月8日、自身の初戦を終えた丸山はインタビューの場に立っていた。
勝利者インタビュー・・・の割には表情が暗い。先ほどの明るい表情の丸山とはまるで別人に見える。
そう、今期からトップ者以外の選手にもインタビューの時間が設けられるようになったのだ。
開幕から数試合は2着や3着の選手もインタビューされていたが、ここ数試合は4着の選手がインタビューされているようだ。
この日の丸山もトップでのインタビューではなく、4着でのインタビューとなってしまった。
しかもただの4着ではない、オーラスにリーチの現物を見落として放銃してしまっての4着だ。
「先日の試合ですがとても悔しいです」
Twitterで悔しさをにじませる丸山。自分のミスで招いた4着。
悔しくないはずはない。
10月23日 第1試合
昨シーズン、丸山の初戦が10月29日だったことを思えば、10月23日の時点で2試合目というのはかなりペースが速い。もしかしたら、昨年よりも出場機会が多くなるのかもしれない。
しかし…もし今日トップが取れないと1年以上トップ無しということにもなりかねない。
昨年の初トップの時には「どうしてもトップが欲しかった。」と語った丸山だったが、今日もその気持ちは変わらない、いやあの時よりも強いかもしれない。
立ちはだかったのはこの3人。
北家 沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
昨シーズン丸山は、沢崎、黒沢とそれぞれ2回同卓し、2回ずつトップを献上している。
多井とは2回同卓して、丸山、多井それぞれトップ1回ずつと拮抗しているのだが、強敵であることは間違いない。
リベンジに燃える丸山奏子、相手にとって不足なし。
東1局
終盤ながら親の黒沢が先制リーチ。
を切ればピンフだったが、が3枚切れているのを見てシャンポン待ちでのリーチだ。
安全牌を貯めながら守備的に進めていた丸山、リーチ宣言牌のを迷わずチーして形式テンパイを取った。
そして次巡切られたも迷わずチー。
形的にはアガリ牌だが、役が無いのでロンは出来ない。