「不安材料」が「希望の星」 に変わった一日。丸山奏子、奇跡のジャイアントキリング!【熱論!Mリーグ】担当記者:ZERO

熱論!Mリーグ【Tue】

「不安材料」が「希望の星」

に変わった一日。丸山奏子、

奇跡のジャイアントキリング

文・ZERO【火曜担当ライター】2019年10月29日

女流プロの活躍がめざましい。

今季がデビューとなる日向藍子瑞原明奈が好スタートを決めると、黒沢咲高宮まり魚谷侑未といった既存のメンバーも次々とトップを奪取していった。

この活躍っぷりは麻雀のイメージアップに大きく繋がるのではないだろうか。

そもそも、男性と女性が一緒になって競うスポーツは珍しい。

スポーツで区切るとほとんど無いと言える。

(私のやっていたレクリエーションバレーなんかは混合でした。あとはテニスや卓球、バドミントンで混合ダブルスはありますね)

お隣の頭脳競技である囲碁や将棋の世界でも、基本は男女別れて対局する。

屈強な男性に混じって奮闘している女性の姿を見て

「私にもできそうだな」

「麻雀って面白い」

と感じる女性が増えるのではないだろうかと期待する。

麻雀は、おっさんがタバコをくわえながら打つイメージ…というのは、もう過去のものになりつつあるのかもしれない。

それをふまえて…である。

今夜は大注目の一戦だった。

赤坂ドリブンズ丸山奏子選手の初登場である。

実に開幕19日目、チームとしても19試合目での初登板。

どのような打ち手なのか、多くの麻雀ファンが注目していたに違いない。

ベールに包まれたまま1ヶ月のときは流れたわけだが、その1ヶ月でドリブンズはまさかの最下位と低迷しており

「丸山を出すに出せないのではないか?」

「前年度の覇者とはいえ、新人という不安材料を抱えたままこの展開は厳しい」

などと噂されることも増えてきた。

しかし、ドリブンズの越山監督は「丸山に関しては、最初から最後まで全て試合日程が決まっている」と語る。

つまりデビューが今夜だということもあらかじめ決められていたのだ。

果たしてどのような麻雀を打つのか。

私も世の中の麻雀ファンと同じく、とても注目して見ていた。

というわけで今回は丸山視点でお届けする。

しかし、それにしても

このメンツは厳しい。

Mリーグだから、大抵は厳しいメンツとなるのは仕方ないが、それにしたってこの3人はチームのエース級と言える。

なにより昨季(Mリーグ2018)の

トップ3なのだ!

果たして丸山は平常心で戦うことができるだろうか。

登場シーン。やや緊張の面持ちか。

東1局

丸山の手が震えているのがわかる。

丸山はこれまでにドリブンズの3人から、いわば英才教育を受けてきた。

その英才教育の1つが「かなこノート」で、ドリブンズの対局を徹底分析し→その後に実際打っていた選手から思考を聞いて答え合わせする…というものだ。

そのかなこノートが圧巻で

(画像は麻雀ウォッチ様より引用)

なんと1半荘につき25000字の文量。

なお、この観戦記が3000~5000文字だと言うと、どれくらいの量か想像しやすいだろうか。これを全試合書いていくというのだから凄まじい量であることはわかるだろう。

量だけでなく、質もドリブンズの3人からのフィードバックが得られるとなると、高品質な教材であることが保証されているようなものだ。

ドラフトで選出されてからの約4ヶ月間、膨大なインプットとアウトプット、そして3人からのフィードバックを経て、初めて実戦の場でその成果を示すときがきたのだ。

緊張しないわけがない。

しかし、努力したことは必ず報われるはずだ。

何より選んでくれた越山監督、そしてドリブンズイズムを教えてくれた3人に恩返しをしたい…。

手は震えているものの、かなこノートで得たものを1つ1つ確認するように、丸山は牌を打ち出していった。

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