俺たちは”全てを託されて”
ここに来た……
チームすべてを背負った
男たちの奏でる抒情詩
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2022年4月8日
【第2試合】
東家:勝又健志(EX風林火山)
南家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
北家:小林剛(U-NEXT Pirates)
2022年4月8日㈮
セミファイナルシーズン最終日一戦目、それぞれがそれぞれのチーム事情を抱える中。
結果は……
トップを獲得し、何とか希望を繋いだ松ヶ瀬。
悪夢のような放銃からラスになり、涙をこぼした石橋。
気合の押し切りで二着をもぎ取り、チームのセミファイナル通過を盤石のものにした白鳥。
親番でそつなく点棒を増やし、安定したラス回避を見せて3着の滝沢。
まさに悲喜こもごもの中で迎えたセミファイナルシーズン最終戦。泣いても笑ってもこの一戦で全てが決まる。
パイレーツはフェニックスをまくる68600点のトップか、格闘倶楽部をまくる63600点差のトップラスが現実的に残されたライン。
風林火山はフェニックスをまくる115800点のトップが必要だ。
一戦目の結果を受けて出てきたのはこちらの四名。チームの全てを背負った男たちの戦いが幕を開けた。
【東1局】
まずは何より素点が欲しい小林から先制リーチ。フリテンのだがABEMASと格闘倶楽部はパイレーツとのトップラス条件がある以上、後手を踏んだら攻めにくい。ここは手を作り替えるよりもまずは二チームへのけん制を重視しつつ、ひょっこりメンタンピンツモの恩恵を受けようという形だ。
このリーチに対して絶対に押し返すのがさらに大きな素点が必要な親番:風林火山。
勝又は絶対に親連荘を維持するため、小林からすれば、勝又に放銃・ツモられという結果にさえならなければ基本的に局数を減らすことなく点棒を増やし続けることが可能だ。
小林・勝又の二人聴牌で流局。今後の基本的な展開を予見させる滑り出しとなった。
【東1局1本場】、先制リーチの勝又がツモって4000オール。
【東1局2本場】、再び勝又が先制リーチを高めツモ。6000オール。
まさに軍師の覚醒。にわかに110000点越えのトップも見えてきた。
【東1局3本場】
68600点以上のトップが必要なパイレーツからすれば、これ以上風林火山が吹き上がるのも自身の素点が削れるのもよろしくない。
そんな中、遂にこの局小林に勝負手が入る。配牌ドラ3、役牌暗刻の二面子。
これをハネマン以上で決めることが出来れば格闘倶楽部との60000点差トップラスの並びでの逆転も視野に入る。
するすると伸びて跳満確定の両面リーチに!
降りられない勝又、瞬間はが出ていく未来もあったが……
ラス牌のを引き入れる! この時すでには山になし。勝又の追いつき次第では小林はかなりの窮地に立たされる。
13巡目に勝又が追い付く。このリーチ、この巡目の両面待ちにしてなんと7山!!
パイレーツが一発で掴まされたのはまさに死神の手。