ガードを上げない宮内と、逆転を許しているとはいえ一瀬もまだ3番手。
熾烈を極めた打撃戦だったが、決定打はこの人の一撃だった。
南2局。ドラは。
ボーダーラインの和久津まで、点差が1万点を切った川原。
先手を取りたいところへ、マンズで2メンツが完成した配牌を得た。
対する和久津。
役牌が暗刻であるものの、愚形が目立つ配牌。
第1ツモでが埋まるも、速度的には川原が良さそう。
川原はさらに良型ターツを増やすツモで一歩前進。
続く4巡目にはをツモ。
先手を取るのは時間の問題かと思われた。
が、足元を揺らされた和久津。
姿勢を正し、力を込めてツモを手繰る。
このドラツモで一気に形勢が変わった。
引き続き、好ツモが押し寄せる川原。
しかし、一瀬がキレッキレの一発消しで四暗刻を呼び込んだように、このゲームは一筋縄ではいかない難しさがある。
手順でを離すと、和久津から「チー」の声。
そして、
魅入られるように和久津の懐へ飛び込む川原。
この8,000点のやり取りが決め手となり、勝ち抜けは宮内こずえと和久津晶の2名となった。
4人が4人ともに見せ場を作り、持ち味を出し切った戦い。
こんなに華麗で熾烈な叩き合いがかつてあっただろうか?
間違いなく、後に語り継がれる名勝負の一つになっただろう。
対局された4選手の健闘に、心からの拍手を送りたい。
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