ネット麻雀じゃ 何でも出たかもしれないが この舞台じゃそういかねぇぜ 天鳳位に襲いかかったMの刃とは【Mリーグ2023-24観戦記 10/24】担当記者 ZERO / 沖中祐也

手牌を見てみよう。↓

【赤5マン】タンキの役無しでテンパイしていたところ、【6ピン】をツモってきた場面。

【赤5マン】を切ると【5ピン】【6ピン】【7ピン】【8ピン】待ちになり勝算十分。ただしリーチのみと安い。
【赤5マン】のくっつきを狙うなら【6ピン】をツモ切るよりない。
【赤5マン】【6ピン】も危険なので安全牌の【1マン】【3マン】を抜くという選択肢も十分にある。

【赤5マン】リーチか、【6ピン】か、【1マン】か… 瀬戸熊が一発で切ったのは、そのいずれでもなかった。

ワンチャンスの打【8ピン】
【6ピン】よりも危険度が低く、【赤5マン】にくっつけば再び【8ピン】を切ってテンパイ復帰が見込めるという選択。

納得のいく形を作っての押し返しを狙ったのだ。

手組こそ変化を感じたが、押し引きの部分では信念を曲げない。
結果こそ横移動で終わったが、この押すでも引くでもない打【8ピン】に瀬戸熊麻雀の真髄を見た気がした。(ちなみに【6ピン】を切ると一発放銃)

そして決め手となったのが南2局だ。
瀬戸熊はここから【北】を切った。↓

ドラが3枚あって絶好の【6ソウ】をツモった場面。
一見ごく普通の選択に見えるが、トップ目ということもありこれまでの瀬戸熊なら【9ピン】あたりを切っていたのではないか。

やはり手組み上の変化を感じる。
さらに【6ピン】をチー!↓

ドラ3とはいえ不安定な仕掛け。
これすらスルーしていた気がするが、クマクマ麻雀研究会のみなさまはどう思うだろう
か?

そして2着目の親・太からリーチが掛かる。
決着を付けるときがきたのだ。
一発を受けた瀬戸熊の手牌。↓

カン【7マン】でテンパイしていたところ、【8マン】をツモった場面。
一番踏み込むなら打【5マン】だが、【2マン】【5マン】はかなり危険な筋。
【6マン】とするとシャボ待ちになる。
【8マン】としてカン【7マン】に受けるという選択もある。

瀬戸熊は

静かに【6マン】を置いた。
【5マン】を切って現物待ちの【4マン】【7マン】に受けたいが、トップ目の自分が【5マン】を切ることによって他家から【7マン】はもう出てこなくなるだろう。つまり現物待ちの効果はほぼゼロとなる。

一発ということもあり、一旦受けたのだ。
次の一打が強烈だった。

【5ピン】ツモ切り!
太の捨て牌を見て欲しい。↓

【西】【南】【白】【9ピン】【4ピン】【3ピン】
【7マン】【6マン】【9ソウ】【6ソウ横向き】【6ピン】【6マン】

【5ピン】はピンズならここしかないという超絶怒涛の危険牌である。

手組こそ変われど、勝負どころの見極めは何一つ変わっていない。

ロン、12000と言われても悔いはない。
ここが俺の天王山。
どうだスーパースターさんよ?

--通るのか。じゃあ

俺の勝ちだな。

【5ピン】を通した直後に太からタンヤオ・ドラ2・赤3の12000を直撃!

ライバルの親をハネマンで流すことに成功。
勝負は決したように見えたが、北家スタートの岡田がここから食い下がる。

南3局2本場
岡田はさほど迷わずにここから【3ピン】を切った。↓

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