ネット麻雀じゃ 何でも出たかもしれないが この舞台じゃそういかねぇぜ 天鳳位に襲いかかったMの刃とは【Mリーグ2023-24観戦記 10/24】担当記者 ZERO / 沖中祐也

ピンズの二度受けを嫌ったごく自然な手順だが、その決断スピードがあまりに早い。
おそらくソウズが伸びたらここを切ろうと決めていたのだろう。
【4ピン】ではなく【3ピン】から切ったのは、直後の【7ピン】ツモはカン【5ピン】待ちのテンパイを渋々取る
ということか。

岡田の淀みない手順に、ツモが応える。

高目高目とツモっての3000/6000!

この日、最年少女性Mリーガーとして話題に上っていた岡田。
(最年長が瀬戸熊で最年少男性が松本だからである)

しかしもう5年となる岡田の佇まいからは、ベテランプレイヤー顔負けの風格すらただよっている。

オーラス、さらにその岡田がたたみかける。

【2マン】をツモってノータイムでの打【7ソウ】リーチ。
これに僅差の松本が押し返し【8ソウ】で放銃した。

松本も筋とはいえ【8ソウ】待ちの可能性があることは分かっていた。
もし、リーチに少しでも迷いがあったら、止まっていたかもしれない。

さらにオーラス1本場、岡田の手牌↓

ドラは【6ソウ】で何を切るか悩ましい。
【2ピン】【3ピン】の部分が【3ピン】【4ピン】なら、【白】の対子を落としてタンヤオにいきたいところ。

岡田は【2マン】を切った。
瞬間6ブロックになるが、【白】は鳴けるものだという計算で【2マン】【2マン】【4マン】というブロックをまるごと落としていくプランだ。
この「【白】は鳴けるものだという計算」は堀がよく言っている手筋でもある。

実践を重ね、チームメイトから吸収し、今、私は堂々と戦えている。

瀬戸熊に肉薄する2000は2100オール!

最後はもう勘弁してくれと言うようなピンフドラ1を松本がアガリ、ゲームセットとなった。

なぁふとっしーよ

先日、渡辺と小一時間ではあるが話す機会があった。

これまで天鳳で幾度となく同卓してきた間柄だが、意外にも絡むのは初めてである。

天鳳での苦悩、麻雀勘の共有、そしてどうしてもふとっしーには勝てなかったこと、たまっていた思いの丈をぶつけあった。
短い時間ではあったものの、これまでの十年間のやりとりを振り返るのには、あまりに濃密な時間だった。

なぁふとっしーよ。
ラスを引いちゃったけど、進化した瀬戸熊さんや、成熟した岡田さんなどの強いメンバーに囲まれて、この上なく楽しそうだよな。羨ましいよ。

その中で、俺は幾度となくかけたリーチよりも

ここからの【5ソウ】チーが、いかにもふとっしーらしくて笑っちゃったよ。

【3ソウ】【4ソウ】【5ピン】【5ピン】 ポン【4マン】 チー【3ソウ横向き】【4ソウ】【5ソウ】 チー【5ソウ横向き】【3ソウ】【4ソウ】

ソウズの3メンツ構想。
ふとっしーのこんなふざけた仕掛けに、何度煮え湯を飲まされたことか。

ふとっしーはMの舞台でも、のまれることなく自分の麻雀を体現できているよね。
普段は物腰柔らかいふとっしーだけど、こと麻雀の話になると譲れない芯の強さを感じたよ。

なぁふとっしーよ。
5年前「どんどんいこう」が口癖だったよな。

何着になろうが、どんどんいこう!と連続で予約していく君に、それこそAIのような恐ろしさを感じたもの。

--でもやはりモニターの向こうには、熱を持った人間がいた。

何万戦と戦ってきた先にある1勝に、感極まる人間くさい君がそこにいた。

なぁふとっしーよ。

君は俺たちの総大将だ。
Mの舞台で思う存分暴れ回ってくれ。

いつの日か、意味があったようなよくわからない、君としのぎを削りあった何万戦を誇りに思えるような活躍を、モニターのこちら側から祈っているよ。

zeRo

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