ピンズの二度受けを嫌ったごく自然な手順だが、その決断スピードがあまりに早い。
おそらくソウズが伸びたらここを切ろうと決めていたのだろう。
ではなくから切ったのは、直後のツモはカン待ちのテンパイを渋々取る
ということか。
岡田の淀みない手順に、ツモが応える。
高目高目とツモっての3000/6000!
この日、最年少女性Mリーガーとして話題に上っていた岡田。
(最年長が瀬戸熊で最年少男性が松本だからである)
しかしもう5年となる岡田の佇まいからは、ベテランプレイヤー顔負けの風格すらただよっている。
オーラス、さらにその岡田がたたみかける。
をツモってノータイムでの打リーチ。
これに僅差の松本が押し返しで放銃した。
松本も筋とはいえ待ちの可能性があることは分かっていた。
もし、リーチに少しでも迷いがあったら、止まっていたかもしれない。
さらにオーラス1本場、岡田の手牌↓
ドラはで何を切るか悩ましい。
の部分がなら、の対子を落としてタンヤオにいきたいところ。
岡田はを切った。
瞬間6ブロックになるが、は鳴けるものだという計算でというブロックをまるごと落としていくプランだ。
この「は鳴けるものだという計算」は堀がよく言っている手筋でもある。
実践を重ね、チームメイトから吸収し、今、私は堂々と戦えている。
瀬戸熊に肉薄する2000は2100オール!
最後はもう勘弁してくれと言うようなピンフドラ1を松本がアガリ、ゲームセットとなった。
なぁふとっしーよ
先日、渡辺と小一時間ではあるが話す機会があった。
これまで天鳳で幾度となく同卓してきた間柄だが、意外にも絡むのは初めてである。
天鳳での苦悩、麻雀勘の共有、そしてどうしてもふとっしーには勝てなかったこと、たまっていた思いの丈をぶつけあった。
短い時間ではあったものの、これまでの十年間のやりとりを振り返るのには、あまりに濃密な時間だった。
なぁふとっしーよ。
ラスを引いちゃったけど、進化した瀬戸熊さんや、成熟した岡田さんなどの強いメンバーに囲まれて、この上なく楽しそうだよな。羨ましいよ。
その中で、俺は幾度となくかけたリーチよりも
ここからのチーが、いかにもふとっしーらしくて笑っちゃったよ。
ポン チー チーソウズの3メンツ構想。
ふとっしーのこんなふざけた仕掛けに、何度煮え湯を飲まされたことか。
ふとっしーはMの舞台でも、のまれることなく自分の麻雀を体現できているよね。
普段は物腰柔らかいふとっしーだけど、こと麻雀の話になると譲れない芯の強さを感じたよ。
なぁふとっしーよ。
5年前「どんどんいこう」が口癖だったよな。
何着になろうが、どんどんいこう!と連続で予約していく君に、それこそAIのような恐ろしさを感じたもの。
--でもやはりモニターの向こうには、熱を持った人間がいた。
何万戦と戦ってきた先にある1勝に、感極まる人間くさい君がそこにいた。
なぁふとっしーよ。
君は俺たちの総大将だ。
Mの舞台で思う存分暴れ回ってくれ。
いつの日か、意味があったようなよくわからない、君としのぎを削りあった何万戦を誇りに思えるような活躍を、モニターのこちら側から祈っているよ。
zeRo
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」