決め手は濃厚ソースの一撃
猿の惑星人・猿川真寿が
最強星人位と最強どん兵衛をゲット
文・東川亮【特別対局担当ライター】2023年12月29日
最強どん兵衛 presents「最強星人位決定戦」。
もはやオフシーズンの恒例行事となりつつある、Mリーグスポンサー・日清食品の特別対局である。いつも本当にありがとうございます。
さて、今回の対局は地球において麻雀の常識を変えつつある「麻雀星人」多井隆晴(渋谷ABEMAS)をはじめとする、4人の異星人たちの戦いとなった。
異星人同士が地球の、しかも日本で戦うというシチュエーションは、さながら特撮テレビドラマや映画のよう。当時は幼心に「なんで毎回みんな日本で暴れるんだろう」と疑問に思ったものだが、そこにはあえて触れるまい。
そして本当に異星人のリアルバトルが繰り広げられるのであれば甚大な被害が出るので御免被るが、今回の対決は麻雀である。思い切り暴れて決着をつけていただきたい、麻雀で。ビームはやめろ。
本対局で使用されるのは、日清食品オリジナルの「日清牌」。マンズが「麺ズ」、ピンズが「どんズ」、ソーズが「ソース」、東南西北が「日清食品」、發が「ハングリー」、中が「NISSIN」のロゴと箸をかたどったオリジナルの柄になっている。プレゼント企画などにはなっているが、いまだ一般発売はなし。欲しい。筆者は3万円までなら即決で出す。
実況は松嶋桃、解説は松本吉弘(渋谷ABEMAS)、リポーターは松本圭世。「松」が3つでおめでたい感じに。何らかの意図を感じなくもないキャスティングも、年末年始のお祭りイベントならではといったところか。
という感じで「最強星人位決定戦」はじまりはじまり〜。
日家:多井隆晴(麻雀星人)
清家:土田浩翔(対子星人)
食家:日吉辰哉(絶叫星人)
品家:猿川真寿(猿の惑星人)
さて、日清食品特別対局にはこれで3度目の出場となる「麻雀星人」多井隆晴。イメージイラストを見ても、彼がメインであることに異論はないだろう。ただ、過去2戦は2着3着と勝利がない。
そんな多井に、開局の日1局早々、ドラの9どん()暗刻に赤まで入った大チャンスの手が入った。あかん、いきなりゲームが終わりかねない。
だが、そんな多井に先んじる者がいた。
「絶叫星人」こと日吉辰哉(Mリーグ公式実況)である。こちらも赤赤で高目タンヤオの69麺()待ちのチャンス手。なお「絶叫」星人なのにリーチ発声は普通というか、むしろ小さかった。そこは絶叫じゃないのか。
絶叫星人は入場時にハンディファンを右手に装備して登場。どうやら風を起こすということらしい。風って物理?そういうことではないのでは・・・?
日吉の先制リーチに対してオリない多井、そこにさらなる参戦者がやってくる。「対子星人」こと土田浩翔(Mリーグ公式解説)である。食()品()くっつきの1シャンテンで食を重ねるという、なんとも対子星人らしいテンパイ。2巡前の3ソー()はリーチに全然通っておらず、くっつき方でフリテンの可能性があるとは言え、無スジを切って字牌を残すところはなかなかにキモイ(褒めてます)。
「対子星人」には「対子王子」の異名もあり、王子らしく特注のマントを身につけて登場した。
それを対局前に豪快に脱ぎ捨てる。えっ・・・そのまま放置?
麻雀星人も追いついて、戦いは三つ巴に。結果は・・・
日吉が土田のロン牌、食()をつかむ!
「ロン」
「見えなかった・・・」
不慣れな牌を扱っているからか、思わず土田がつぶやく。気持ちは分からなくもない。
打点はリーチドラの6400、土田がオープニングヒットを決めた。
日3局、土田は得意のチートイツをテンパイする。ドラの対子もあって打点は十分、しれっと1麺()を切って日()待ちをダマテン。
なんなら土田は、この手を決めるために対子星からやってきたと言っても過言ではない。代名詞をここで決めるか。
ここで守備力を見せたのが多井。自身が第1打に切っている日を止めて、3ソー()の対子落としで撤退。土田の手牌がいかにも変則手模様で、既にテンパイが入っている可能性が高いと見たか。いずれにせよ、この守備力はさすが麻雀星人。
そこに、「猿の惑星人」こと猿川真寿(BEAST Japanext)が追いついてリーチをかけた。