罠のように先制テンパイは入るのでリーチだけかけさせてもらうと

追いついた亜樹選手が待ちでリーチ。
は園田選手が1枚・大介選手が3枚持っている中、一発で掴んだのが

ラス牌の。

麻雀牌の無慈悲な攻撃に笑うしかないといった表情の萩原選手でした。
三人のトップ争いの中、この試合で一番の焦点となったのがオーラス園田選手の親番での選択。

オタ風のに続いて役牌の
を仕掛け

ここから何を切るかの問題です。
と切ってきた大介選手・上家で
を切る萩原選手・
を切ってきた亜樹選手と、これはもはや一刻の猶予もない状況。
特に警戒する必要があったのが大介選手で、今シーズン大介選手が一打目に字牌を打った局が16局あり

これまでの15局では平均シャンテン数が2.8シャンテンと、かなり整っていました。
のどれかを切ったところでホンイツテンパイには見えづらく、降りる姿は想像できません。
自分の手牌はを残しても速度は4番手が濃厚。
鳴ける牌の種類も少なく、萬子を切って真っ直ぐ向かってこられては敗色濃厚と考え

最後方から全員を呼び止めるドラの切りを選択しました。
もしを先に引くようなことがあれば、とてもじゃないですが冷静さを保つことができないような狂気の打牌です。
自分の手の都合だけで言えば非効率的なんてことは百も承知の園田選手でしたが、麻雀は4人でやるゲーム。
これ以上通っていない字牌と萬子は1枚たりとも打たせまいと、MAX小四喜を匂わせる渾身のブラフを発動しました。

澄ました顔をしていますが、心の中では「降りてくれええええええ」と叫んでいるところです。

魂の切りから5巡進んで誰にも新種の萬子と字牌は打たれず、足止めには成功しているように見えます。
このまま進み全員の手牌を破壊できれば、終盤には筒子や索子の真ん中らへんを残してテンパイ狙いに切り変えたいところ。
そのタイミングの見極めは園田選手の得意分野です。
自身では引いてしまいましたが、これも
さえ引かなければそこまで痛くないかなと

思っていたら、常人なら精神が崩壊するツモ。

ぐっと堪えて人としての輪郭を崩さない園田選手は流石でしたが

あまり期待出来ない鳴きシフト対応、鳴けそうな
に非対応の構え。
理牌からは動揺の色が伺えました。
一手遅れたもののくっつきのイーシャンテンとなり、チャンスが拡大した園田選手に

が重なり急転直下のホンイツテンパイ。
の切り順で
が手牌に関連してそうに見えてしまいますが、最初から出アガリなんて期待してないので全く問題無しです。
あとはが自分のツモ筋にいるかどうかの神頼み。

控室もみんなでのポーズで神頼みをすると

より先に
がいる劇的な決着。

1本場で満貫条件の大介選手にロンと言われ、込め続けてきた魂が抜けかけましたが

大介選手の仕掛けは2着キープののみで無事生還。

今シーズン5勝目を挙げ、個人成績1位を維持。
園田選手の活躍でチームは4位まで浮上しました。

※この日の解説に登場した11月出場0、競輪のCM出場100の麻雀星人。
「すきま~時間に競輪したい」の隙間時間とはいったいどこの隙間を指しているのかは謎に包まれていましたが、面白トークは健在でした。
日本プロ麻雀連盟所属16年目。
一日中麻雀観るか野球観るか漫画読むかして、たまに寝る。
Twitter:@koshishi0610