が3枚になってメンツ手にするときにも、からのなら大きなロスはなく、むしろの呼び水になること。
対面の仲林が、役牌からの切り出しに続いて、と手出ししてきたことから、ある程度の速度を感じての危険牌処理。
このあたりが理由であろう。
次に、
を引いて打。
ここで、メンツ手は完全に見切っていった。
仲林がも手出ししてきたので、トップ目から不安定なの仕掛けはしない、という決めたのだろう。
を残したことに関しては、下家の第一打がで、ピンズの上を狙ったように思う。
他には、をツモ切るとピンズが弱い河になるので、次巡以降手出ししたかったこともあるだろうか。勝又は「自身がどう見えるか」にも、意識を強めに置く打ち手だ。
いずれにせよ、情報が強く出ている対面の仲林がを早めに切っていることから、愚形では当たりにくく、かつ山にややいそうな、はキープしていった。
淡々と山に手を伸ばす勝又。
を持ってきて打。
これは、加点を狙う攻めの七対子ではなく、交わす狙いの受けの七対子。守備駒として2枚切れのを温存した。
前述のように、は「ツモ切りしたくなかった」ので手出しにして切った、というのもあるかもしれない。
次の巡目には、
あっさりが重なって、
浅見からの出アガリ。
このとき、
仲林は、大物手のイーシャンテンだった。
まさに値千金の七対子。
ターニングポイントとなった、
ここで、メンツ手と天秤にかけてを切っていたら、どうなっていたか分からない。
かくて、今日紹介したような一見目立たない場面でも技術を駆使し、またオーラスのように、
素直にアガれる手は真っ直ぐ進める。
まさに「隙の無い麻雀」。
先週、悪夢の4連敗でポイントを一気に減らしてしまったEX風林火山。
こういうときに、
安定感抜群の勝又は、本当に頼りになる。
70ポイントの上乗せに成功し、
EX風林火山はふたたび100ポイント台へと戻すことに成功した。
さて、勝又が強い理由は、もう一つある。
それは、この男もまた、
「麻雀に人生をかけている」打ち手だからだ。
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite