あ、あれはユウの拳…! 女戦闘民族が魅せた 怒りの猛烈プッシュ【Mリーグ2023-24観戦記 1/9 浅見真紀 VS 瑞原明奈 VS 瀬戸熊直樹 VS 内川幸太郎】担当記者 ZERO / 沖中祐也

カン【6ソウ】をチーして

12000のアガリと相成った。

アガった後も一切手を緩めない。

「ポン」
内川の切った【8ピン】の牌の背がついた瞬間に瑞原が声を上げた。

ここからの発進である。
ドラが4枚あるものの形が苦しいので、こういうときこそのタンヤオだ。

それにしても発声が早い。
最高位戦の選手はよく訓練されている。
さらにその後の打牌リズムも1.3倍速で見ているのかと勘違いするくらいには早い。

初年度、リーチする時や仕掛けた後の判断の「間」にキズがある、と指摘した記憶があるが、もうとっくに克服している。
これだけリズムよく、堂々と打たれると相手もかなりやりづらいだろう。

そして、またしても内川のリーチを受けた一発目。

切っていこうと思っていた【發】が暗刻になった。
しかし安全に落としていけるターツはない。

ならば、ここでも【發】の暗刻を落としていく手筋はある。
なにせ瑞原はトップ目に立ったばかりだ。

しかし女海賊… いや、女戦闘民族は

村上「いったよ! 中筋通る君!」

たしかに【6ピン】は中筋通る君だが、【4ピン】が無筋通さないといけない君だ。(誰)
さらに

その【4ピン】が重なった場面。
もしこれが新たな無筋… たとえば【1マン】ならさすがに撤退したのかもしれない。
ただ、ラスト勝負が1枚ですむなら

押す価値はあるんじゃないか。

村上「トップ目なのに!」

リードがあるうちに二の矢を放たなければ、またしても競り負けてしまう。
そんなのはもうこりゴリラ。

この猛烈なゴリラプッシュに敏感に反応したのが下家に座る瀬戸熊だった。

ここからどのターツを払っていくか。
【6ソウ】【7ソウ】は現物だけど【8ソウ】がドラだし678の三色もある。

【6ピン】【7ピン】【3ソウ】【4ソウ】は両方とも比較的切りやすい。

瀬戸熊が瑞原の河をにらみつける。
あそこにドラの【8ソウ】が対子以上でもたれている可能性が高い…! と瀬戸熊は推測し

ドラ受けの【6ソウ】【7ソウ】を切り出していった。
この判断が絶妙で

最終的に【2ソウ】を捉えての4000オールを決める。
まだ折り返しすぎたところとはいえ、雷電はこれ以上離されるわけにはいかない。
瀬戸熊の意地を垣間見た【6ソウ】【7ソウ】外しだった。

さぁわかっていたけど簡単にはいかないな。

浅見と瀬戸熊に追われる形で迎えた東3局2本場が本当のクライマックスである。

愛すべき有機物

瑞原の手牌は難解だった。

ここから何を切るか。
【3ピン】はドラだが【1ピン】を切るとタンヤオがつくので等価。
さらに【3マン】をツモってのカン【3マン】テンパイは逃したくないので【1ピン】を切るのがマジョリティだと思う。

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